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2023.07.08
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書名



給食のおばさん、ブータンへ行く! [ 平澤さえ子 ]

目次


第1章 給食のおばさん、単身旅立つ
第2章 給食のおばさん、孤軍奮闘する
第3章 給食のおはざん、決断する
第4章 給食のおばさん、異文化を楽しむ
第5章 給食のおばさん、夢へ踏みだす
「ヘレヘレじいさん」(ブータンの民話)
巻末付録 簡単につくれる「ブータン料理」&「人気の給食」レシピ

引用


「いつか、あれをやりたい」と考えていても、条件が整うまで待っていたら「いつか」はずっと先になってしまう。
「いまやろう」と決めて行動を起こせば、きっと夢は現実になっていくものだと、私は信じている。


感想


2023年148冊目
★★★


と、ずっと思っている。

小学生の頃に読んだ『ブータンの朝日に夢をのせて』。
1964年に農業指導でブータンを訪れ、1992年に亡くなった西岡京治さんのブータンでの暮らしを描いたノンフィクション。
1996年発刊のこの本を私が図書室で見つけて手に取ったのが、10歳くらいの時。
この世界に、ブータンという国があるのだと知った。
いつかそこへ行きたいと思った。

先日、中学生からの友人に会った。
彼女は最近ブータンに行ってきたと言う。
ブータン!
私にとっての夢の国。幻の王国。
そうだ、そこは現実に存在する場所だったんだ。


それがこの本だった。
著者は、

平澤さえ子(ヒラサワサエコ)
1953年、新潟県生まれ。19歳で結婚し、2人の娘を出産したが29歳で離婚。生活費を稼ぐため、夫の仕事の関係で調理師の免許を持っていたことから給食調理員として働くことを決意。1983年から31年間、東京・渋谷区の7つの小中学校で定年まで勤務した。2011年、ツアー旅行ではじめてブータンを訪問。2013年、2014年、ブータン南部のゲレフの高校にそれぞれ3週間、3か月間滞在し、現地の高校生や主婦に料理を教える。2015年から10か月間、ブータンの首都ティンプーの幼稚園から高校まである学校で、料理の先生および留学生の寮母を務めた


という方。
なんというか、「好き!」という気持ちを強く持って、それを発信していると、道が拓けるのだなということを思った。
この本の内容は、高校で3週間滞在したときと、その後3ヶ月滞在したときの内容。

この本が発刊されたのが2016年なので、その後どうしていらっしゃるのだろうと検索。
ブログ「 給食のおばさんブータンへ行く 」を見つけたけれど、更新は2017年で途絶えている。
facebookはたまに更新していらっしゃるようなので、お元気なのだろう。なにより。

ご本人は本の中で「私は給食をつくることしか能がない」と仰っているのだけど、それってすごい強みなんだなと思った。
私には何が出来るんだろう、と思って自分を見ても何も無い気がして。
そして突き抜ける「好き!」が、そんなに強い何かが、私には無い。
自分って空っぽだな…と胸に手を当てて思う…。

ブータンについての記載は改めて興味深かった。
多民族多言語国家で、公用語はゾンカ語。
小学校から英語の授業を行い、授業も英語で行うため、みな英語が堪能。
公の場では民族衣装を着ることが義務付けられ、女性はキラ、男性はゴという着物のような服装をする。
学校制度は「7・2・2・2制」で、
幼稚園にあたるプレ・プライマリースクール+小学校にあたるプライマリースクールで7年。
中学校にあたるロー・セカンダリースクールが2年+ミドル・セカンダリースクールが2年。
高校にあたるハイヤー・セカンダリー・スクールが2年。
その上に高等教育(大学)があるのだという。
食生活はヤギのチーズと唐辛子が多い。

給食改善に呼ばれたはずが、著者はなぜかクッキングスクールを指導。
オーブンもないなかでクッキーを教えるなど、「給食のおばさん」で磨かれた臨機応変さをいかんなく発揮する。

みんな給食のときにお皿1枚にごはんとおかずを盛り付けて、手かスプーンで食べる、というのはインドネシアにいたときを思い出した。
インドネシアでは、日本で言うカレー皿のような、縁が盛り上がったお皿1枚にごはんをどーんと載せて、おかずをその横に添える。
それをスプーンか手で食べる。
お皿は1枚で済むから洗い物も少ないし、汁気がごはんに吸われて美味しい。
私は日本に帰ってからも我が家にこのスタイルを採用している。ワンプレート方式。
ブータンのごはんは唐辛子が山盛り入っているそうで、私は辛いもの好きなのだけど、食べられるかなあ。

ブータンに行った友人は、「不思議なんだけど、日本とすごく似ていると思った」と言っていた。
いいなあ、行きたいな、ブータン。
死ぬまでにしたいことリストに入ったまま。
チベットにも行きたい。これは同じく小学生の頃に見た映画「セブン・イヤーズ・イン・チベット」(これは1997年公開)の影響。

子供の頃に摂取したものって、その後の人生に多大な影響を与えるよね。
という話を、友人としていた。
だから本は大事だよね、と。

チベットよりもブータンのほうが行きやすいから、「ブータン 行き方」で検索する。
ふむふむ、ブータンへはタイもしくはインドで乗り換え。
意外と近い。
ビザの申請と旅行の計画はブータン政府の認可を受けた旅行代理店を通じて手続き。ビザは4500円程度。全行程に公認ガイドが必要とな。
滞在費はオールインクルージブで、政府公定料金1日2万円〜3万円程度。
友人によるとQRコードによる電子決済が進んでいたとのこと。

…なんというかさ、夢の国だって幻じゃなくて、そこに現実に存在するんだよね。
そして私は大人だから、そこへ行くことが出来る。
行くか行かないかを、自分で決めることが出来る。

著者が言っていたように、まさに「いつか、あれをやりたい」を「〇〇が〇〇になったら」と待っていたら、「いつか」はずっと先になってしまう。
お金が貯まったら。仕事が落ち着いたら。子どもが大きくなったら。
それはまあそうなのだけど、それは言い訳でもあるわけだ。

ぽん!と行きたい場所へ行ける友人を、私は羨ましく思った。
でもそこへ行っていないのは、私なのだ。
10歳だかで「ここへ行きたいな」と思って、その夢を叶えていないのは私だ。
私が、そこへ行こうとしていないだけだ。

よし、行くぞ。ブータン。絶対に。
いまはそれを「いつか」と決めることは出来なくても。
行くぞ。
おばさん、ブータンへ行くよ!


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最終更新日  2023.07.08 00:00:20
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