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ワースト1位は都構想で話題のあの市
手取り額ワースト1位は、大阪市。予想通りの結果となった。
23年前にFPになった頃から「大阪市は財政状況がよくないから、国民健康保険料が高い」と聞いていた。
県庁所在地の自治体以外で大阪市の保険料を超えるところもあるかもしれないが、47自治体の中ではワースト1位となってしまった。
ランキングをみて、税金の額に差があることに疑問を持つ人もいるだろう。手取り額を計算する過程で社会保険料は控除の対象となるため、社会保険料が高くなると、税金は多少安くなるのである。
● 手取りを左右するのは 国民健康保険料!
手取り額を左右するのは社会保険料だが、どちらかというと介護保険料よりも国民健康保険料のほうが格差は大きい。
例えば、47自治体の中で最も国民健康保険料が高いのはワースト3位の松江市で、年23万9730円。最も安いのは手取り額が一番多い結果となった静岡市で、年16万1600円。
その差は、約年7万8000円。同じ年金収入なのに大きな違いだ。
国民健康保険料は、加入者のうち医療費を多く使う高齢者の割合が多かったり、税収が少なく財政状況が悪かったりすると、高くなる傾向がある。
そこで「お金がありそうな自治体」も手取り試算してみた。
愛知県豊田市の手取り額は、233万7800円。
前出の47都道府県庁ランキングに当てはめると、手取り額の多さで静岡市を抜く。さすが、日本一の企業城下町だ。
豊田市は トヨタ自動車
や関連企業が多く、法人税の税収が多い。市として財政が潤っているのだろう。
次に北海道猿払(さるふつ)村。北海道最北端の宗谷岬をオホーツク海沿いに少し南下したところにあり、ホタテの漁獲量が日本一だ。
数年前に「猿払村はホタテ漁の漁師が高所得で国民健康保険料が日本一安い(当時)」という新聞記事を読んだことがあり、気になっていたので今回試算してみた。
手取り額は豊田市よりも多く、国民健康保険料は12万3100円。保険料が高い松江市の半額程度である。
漁師は自営業者なので、現役時代から国民健康保険に加入する。若く、健康で(医療費を使わない)、高所得の漁師が保険料収入の多くを負担してくれるため、全体として保険料率が低くなる。猿払村に住む高齢者はラッキーだ(もちろん、現役漁師のときは多くの保険料を負担したことだろう)。
ふるさと納税で寄付金を多く集めている大阪府泉佐野市も気になった。
試算してみると、ワーストランキング5位と6位の間となる。財政の厳しさが、ふるさと納税強化につながったのか…。これについては分析できない。
年金の手取り額の多寡だけでリタイア後の住まいを決めることはできないが、自治体によって国民健康保険料や介護保険料が異なることは知っておきたい。
年金生活に入ったら、自分の年金にかかる所得税・住民税、国民健康保険料・社会保険料を把握して、手取り額を計算することをお勧めする。長いリタイア後の生活を送る自分の町の財政を間接的に知ることにつながるからだ。
(株式会社生活設計塾クルー ファイナンシャルプランナー深田晶恵)