第77回長野県中央メーデー(連合長野系)



                   平成18年5月1日(月)城山公園

1 主催者代表あいさつ(近藤 光実行委員長)

第77回長野県中央メーデーに参加された皆さん、大変ご苦労様です。また、ご出席をいただきました
多くのご来賓の皆様に、実行委員会を代表して感謝を申し上げます。輝くように晴れ渡りました五月
晴れの今日、働くものの祭典メーデーが行われています。

昨年末から今年の1月にかけて、長野県北部を中心に、想像を超える豪雪にみまわれました。連合北
信地協をはじめ、各労働組合からも除雪ボランティアの派遣など取組みをいただきましたけれども、
多くの人的物的被害が生じ、改めて自然災害への大切さを感じたところでございます。

また、食品・住宅さらには公共交通・環境そして、いたいけな子供を狙った凶悪犯罪の多発など、
暮らしの安心・安全が根底から揺さぶられていることに私たちは不安を持っています。安心して生活
のできる市民社会を築き上げて、働くもの全てが安全に働ける職場環境を作ることは、私たちの大き
な責務でもあります。こうした目的を踏まえ、NPOをはじめ、市民との連携を一層強めるとともに、
労働組合のチェック機能や社会的役割を果たすためにも、中小企業に働く労働者、そしてパート、契
約労働者など、そうした方への組織拡大も全力で取り組むことが求められていると思います。

今、日本の社会は大きいものはより大きく、強いものはより強く、そして弱いものは切り捨ててしま
うという強者の論理と社会の2極化が急速に進行しています。私たちが、目の当たりにするのは、
産業・企業規模・地域或いは、働き方の違いによって、拡大する格差です。景気回復の声の一方で
増え続ける不安定雇用労働者、さらには3万人を大きく超える自殺者は、深刻な社会問題となって
います。フリーターやニートといわれる職に就けない若者なども厚生労働省などの推計値をみても、
増加をし所得格差の拡大と社会保障の支え手の減少で、将来不安が増大しつつあります。

2006春闘は、こうした格差の拡大にストップをかけるため、景気回復を一人ひとりの賃金、そして
労働条件に還元させていくことが求められており、全体の底上げを目指して闘ってきております。
4月25日現在、連合長野の集計では、県内の賃金引上げ額は平均5,815円となっております。地場
中小を含め、未解決組合もまだまだ多くあることから、パート、派遣などの処遇改善とあわせ、連帯
と支援の輪を広げていかなければなりません。

さて、昨年9月の総選挙のとき、自民党公明党は一体なんと言ったか、皆さん覚えているでしょうか。
「サラリーマン増税はしない。」と明言したはずです。ところが3ヵ月後には、勤労者をターゲット
にした総額2兆円もの増税を内容とする与党税制改正大綱を大した議論もなしに決定をいたしました。
今年1月には、定率減税が半減をされ、来年2007年1月からは、全廃をされ、1世帯当たりの負担は
最大年29万円になると想定できます。法人税減税などは存続、さらに一部拡大するなど、国民にのみ
痛みを負担をさせる小泉政権の特徴が私は如実に表れていると思います。

選挙の時には「増税をしない。」といいながら、郵政民営化が実現すれば、すべてがばら色になる
ような幻想を振りまいた小泉政権、年金・医療などの社会的セーフティネットの後退、さらに国民
生活を豊かにするはずの規制緩和が、逆に国民を苦しめるなど、際限のない野放しの市場競争原理
のみの政策に私たちは、このメーデーからストップをかけなければならないと思います。4月23日に
投開票の行われた千葉7区補選は、民主党の大田和美候補が接戦を制して当選を果たし、5年に渡る
小泉政治に「NO」を突きつける結果となりました。改革の美名のもとに、生活破綻の危機に直面し
ている人たちや社会的に弱い人たちを置き去りにしたままで良いわけがありません。一人ひとりの
暮らしや、地域社会の再生を大切にした改革こそ、今、求められていると思います。

さて、7月20日告示、8月6日に投開票される長野県知事選挙は、6年間に及ぶ田中県政の評価は
もちろん、この間の県民生活の状況の検証と同時に、長野県の将来にも大きく影響を及ぼす重要な
政治選択となります。2000年10月の県政変革への熱気や県民の期待は、一体どこへ行ったのでしょう。
しなやかな政治、包み隠しのない県政は、田中県政の根幹をなすはずのものです。しかし、時間の
経過とともに真の県政改革を求める多くの県民の思いとは別に、県政は透明性や柔軟性そして包容力
を全く失い、重要な政策課題さえ停滞を続けています。

その多くの責任は、独善的な手法といわれる田中知事の責任と個性にあることは、私は承知しており
ます。しかし、併せて長野県庁組織機構とりわけ澤田副知事を中心とする幹部が、県民の命と財産・
暮らしを守るために機能し、その役割を果たしているのかどうか、そういう強い思いを私は感じて
おります。それは私一人だけでしょうか。県職員の厚い信頼と固い絆が無くして、いわゆる総合愛情
産業がなりたつものかと私は問い直したい気持ちもあります。県政の的確な運営への県民の付託は、
けして長野県知事のみに与えられているわけではなく、県職員全体そして市町村や県議会も含め、
たずさわる多くの人たちの意思によって、成し遂げなければなりません。

本日の長野県中央メーデーのスローガンにも、「真に明るく住みやすい長野県づくりに向けて、県民
とともに戦うぞ」を掲げました。県下全域で開催をしたメーデー参加者の思いをひとつにして、新た
な信頼のできる知事をみんなの力で誕生させましょう。

昨年のメーデーは、平和への思いや核兵器廃絶を心から願う活動が各地域で行われた戦後60年の節目
の年でございました。こうした、草の根の声を無視するかのようにイラクなど世界各地では、戦闘
行為や紛争が続いており、自衛隊の派遣延長も継続をされております。4月24日には、日米の防衛
首脳会談で、米軍基地移転費用問題が従来にない形で、日本が米国領土の基地移転費用を負担する
ことが、国民への説明が無いまま合意がされました。私たちは、普天間基地の即時返還や在日米軍の
整理縮小を行うことを求めておりますが、本日結集をされておりますメーデー参加者も基地問題を
遠い出来事としてとらえるのではなく、怒りを持ちつつ自らの課題として取り組むことが大切だと
思います。併せて、平和運動がみんなの力で、一歩でも前進できることを確認しあいたいと思います。

「働くものの連帯で、ゆとり豊かさ、公正な社会を実現し、自由で平和な世界をつくろう。」この
メインスローガンが語るように全員の力で、笑顔で安心して暮らせる長野県と日本を取り戻すことを
あわせ、平和な世界にしていく決意を申し上げ実行委員会を代表してのあいさつに代えます。

第77回メーデー万歳、ありがとうございました。



2 来賓あいさつ(長野市長:鷲沢正一)

ご紹介をいただきました長野市長の鷲沢でございます。皆さんおはようございます。今日は第77回
中央メーデーがこの新緑の城山公園において、大勢の皆さんがご参加のもとに盛大に開催されます
ことをまずお祝い申し上げます。

今回のメーデーのスローガンは、「働くものの連帯で、「ゆとり・豊かさ・公正な社会」を実現し、
自由で平和な社会をつくろう。」でありますが、景気については、4月の内閣府月例経済報告でも景
気は回復しているとのことでございます。地方においては、まだまだ実感が乏しい面もありますが、
少なくとも確実に回復に向いていることは間違いないであろうと思いまして、これまでの皆さんの
弛まぬご努力の成果であると敬意を表するところでございます。行政としても、より一層景気回復
への施策を展開してまいりたいと思っているところでございます。

さて、今日はこの8月の知事選における問題につきまして、皆さん方に感謝とまたお願いを申し上げ
たいと思います。県知事選における連合会長の近藤さんのご努力、これにつきましては私ども高く
評価をしているところでございます。昨年の秋ごろからいち早く、田中知事を次回応援しない旨を
決議され、諸団体・グループの取りまとめに動かれていること、私は行政の長といたしまして心から
感謝をしておるわけでございます。

候補を一本化しようとする動きは、民主主義の社会では本来してはいけないことである。と思っては
おります。しかし、現知事さんのあまりにもかけ離れた行動、考え方そしてこういうことに対しまし
て、どうしても勝たなくてはならない。乱立しないで、反田中或いは脱田中候補を一本化したい。
それは、多くの県民の願いであり、特に市町村長にとってもコミュニケーションのとれない田中県政
がこれ以上続いたらどうなるんだと本当に困っているわけでございます。この一本化工作、今回だけ
は許していただきたい。こんなふうに思っております。

もともと、現職の知事が、3ヶ月前になっても出馬するかしないかということを言わないということ
は一体どういうことでしょうか。まさに私は卑怯な振る舞いであるというふうに思っております。
法律違反とは言いませんが、通常の場合はこれは想定外の行為であります。不出馬宣言をしてくれ
れば、これは調整をする必要はありません。しかし、彼は言わないでしょう。万全を期すためには、
どうしても出馬することを前提に我々は準備をせざるを得ない。まあ、そういうことでございます。

そして今、噂になっている方々、私は皆それぞれすばらしい人だと思っております。ただ、それぞれ
の背景がございまして、大変難しい面がございます。近藤会長が世話人をやっておられる「かがやく
明日の長野県を考える会」が、昨年からいろいろ議論をしてこられました。ふたつの原則、長野県に
軸足のある人であってほしい。もうひとつは、多少は行政経験のある人であることが必要であること
から、当然のことながら田中知事に勝てる候補ということで、菅谷松本市長さんにその白羽の矢が
あたったわけでございます。

これしかないということで、多くの方々が説得に動いております。私もその一人、お願いにまいり
ました。でも、今のところでございますが、残念ながら良いお返事をいただけない。連休明けまで
にはもう一度、松本市民も自ら、そして近藤会長さんにも是非ご出馬をいただいて説得に動いていた
だこう、こんなことを今、考えているわけでございます。菅谷さんが決心をしてくださったら、皆で、
ひとつ応援しましょう。私も全精力を注いで応援活動をいたします。

もしどうしても、出馬をいただけない場合、これはあまり考えたくないことでございますが、いずれ
にしても最低限、統一候補をつくり出す努力だけはしようではありませんか。近藤会長さんには是非、
その辺のリーダーシップもまたお願いしておきたいと思います。

いずれにしても、大変難しい選択をしなくてはならなくなってしまうということで、私も心配をして
おりますが、田中サイドからすれば、それは密室の談合だとたぶん、こういう話が飛び出すでしょう
けども、そのことに打ち勝たねばならない。今回は、特別の時点だと、オープンな議論をしましょう。
私はそんなふうに考えておるところでございます。

大変蕪辞を申し上げましたが、本日のメーデーが皆さんにとって、有意義な一日となること期待し、
皆さんの今後の益々のご活躍をお祈りいたしまして、簡単ですがごあいさつといたします。どうも
皆さん、今日はおめでとうございます。





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