ETの未来主義ブログ

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2007.09.07
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カテゴリ: 物語道州制

おとぎ話(6) 2030年のアメリカ-再び凋落へ

 ここで物語の進行を、一時、中断して戦後世界を支配してきたアメリカの今を、
考えてみよう。盛者必衰の理を地で行ったのが米国である。盛時においても謙虚
さを忘れない精神がいかに大切であるかを如実に物語るアメリカの小史である。

(ゴールデンエイジ)

 アメリカは、第二次世界大戦で一人勝ちした。金融や経済の面でも、ブレトンウ
ッズ体制を構築して、アメリカ帝国を完成した。つまり世界の工場となることで、商
品を世界に輸出しまくり経済を支配したのだ。金融面でも、各国にドルとの交換比
率を一定に保たせる代わりに、金といつでも交換可能という安保システムをつくり
、世界にドルをばら撒いたのである。少なくともこのシステム、1960年代までは機
能した。

(世界支配に綻び)


って71年には、ドルと金の交換停止を打ち出さざるを得なくなり、73年には為
替を変動相場制に移行した。このことは、世界の金庫番と自認するアメリカが、
自ら、その役割を放棄することを意味し、世界にとっては金融波乱の種を撒か
れたことを意味する。

(停滞の80年代)

 この時期、アメリカは成功しすぎて失敗する、という諺を自ら体現した。60年
代の成功は、大量生産システムが永続的に機能することを前提としていた。し
かし世界は2度のオイルショックを契機として、大量消費から質への消費へと転
換してきており、アメリカは一種の驕りから、自国のテイラーイズムに代表され
る、自国の大量生産システムを変えることができなかった。またそのスキを小回
りでモノを作ることができる、日本企業などに突けこまれることとなった。自動
車産業などがその典型である。

(繁栄の90年代以降)


期間には政府も企業もリストラを重ね、強靭な体質をつくることに専念した。そ
のなかで大きな役割を果たしたのがインターネット関連のIT技術であった。こ
の結果、生産性は飛躍的に高まり、80年代から始まった貿易や金融自由化の
波にのって、世界に先駆けてITを経済活性化の武器に転化できた。アメリカ経
済が再び、世界を支配することになる。いわゆるニューエコノミーと称される時代



(米国の時代の終わり)

 これまでの米国は、伸張、停滞を繰り返してきた。そのキーワードがグローバ
リゼーションであった。60年代が生産流通革命であったし、90年代がIT革命
であった。今、米国は2つの課題を抱えている。しかし結局は米国は、世界の潮
流を読み間違い、長期低落に至ることを余儀なくされた。

 第1の読み誤りは、環境軽視ということだった。世界の地球環境重視の流れに
逆らい、石油依存に代表されるように、資源多消費のテーゼを変えなかった。国
際的な地球温暖化対策からもひとり離脱した。いつまでも自国の覇権が続くとい
う、自信過剰に拠るものだ。

 第2の過失は、グローバリゼーションへの過度の信仰である。今や、世界は多
極化している。日本を含めたアジア、EUを作ったヨーロッパという3極となっ
ている。ヨーロッパに倣ってアジアでも共同体づくりが進んでいる。経済や金融
が、しばしば危機に陥る背景は、米国の一極支配によるものだという認識で共通
し、貿易や金融の自由化が全アジアで広がりつつある。米国寄りのIMFに代わ
り、AMFをつくる動きも始まった。またアジアのインフラを整備するため、ア
ジア債券市場も具体化を進めている。米国は欧州に続き、アジアからも締め出さ
れつつある。

 今、米国は経済面でも苦境にある。米国経済を支えてきたのは、海外から資金
を集め、国内景気を刺激させ、世界に再び、資金を還流させるところにあった。
しかしアジアの経済統合が進み、経済成長で潤うマネーは米国の株式や債券に向
かず、アジアの株式・債券市場へと流れを変えた。

 米国の市場では何が起こったか。債券の価格が下がり、長期金利が上がった。
株式市場にも外国の資金が入ってこなくなり、低迷している。住宅バブルが崩壊
したことで、住宅の担保価値が下がり、消費も落ち込んでいる。加えて問題なこ
とは、相変わらずのガソリンがぶ呑み社会のため、原油価格が高止まりして、物
価が高いままとなっている。中央銀行が金利を下げようとしても、長期金利が高
いため手を打てない。政府が財政出動しようにも、外国からのマネーが入って来
ない現況では、財政破壊を防止するためこれもできない。結局は、何の手も打て
ずに、事態の好転を待つしかないのが米国の現状である。

(日はまた昇る)

 しかし良識ある一部の人は、アメリカはいつか再び立ち上がると信じている。
「人間万事塞翁が馬」の諺にもあるように、人も組織も良いときがあれば、苦難
のときもある。落としたボールは地表に当たり、再び跳ね返るものだ。失われた
時間はいつかは蘇る。

 我々は忘れてはいない。貧しかったあの頃、眩しかったアメリカの文明を。世
界に輝かしい夢の世界を見せてくれたアメリカを。我々の目標はいつもアメリカ
だった・

 アメリカ人はチャレンジする精神と、それを受け入れるのに寛容な社会の精神
風土がある。今の逆境を耐えつつも、そのなかから復活の日を求めて、再び這い
上がってくるだろう。アメリカとはそんな国である。不屈の若い国、アメリカよ万歳。






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最終更新日  2007.09.11 10:21:58
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