平成２年（母６８歳）の作品」

あんま機で一日のつかれをいやさんと　明日の仕事を頭に浮かべ　（平成２年６月２日）

あちこちに雀につかれて口とがり　死にし蚕をほうむってうやる　（平成２年６月７日）

味しめし雀等は追えども追えども　小屋に入りては蚕をつっつく　（平成２年６月７日）

繭白くなりて蚕糞をかたづけ　ようやくにして一段落　（平成２年６月７日）

春蚕すみてのひとときを温泉で　ゆるりと休みつかれいやして　（平成２年６月８日）

過ぎ去りて見れば苦労も何の其の　次の蚕も頑張って飼う　（平成２年６月８日）

毎日をせわしく暮す幸せを　感謝しつつ　今日も暮れ行く　（平成２年６月８日）

減反のそば畑のそば花盛り　てふの舞い来てのどかな風情なり　（平成２年６月１０日）

孫達の応援を受けて夕方のひとときに　繭のつき出し能率上がる　（平成２年６月１１日）

手伝うと蚕室に入り懸命に　幼な孫達繭のつき出し　（平成２年６月１１日）

気負いても体力のおとろえともない　ままならない日々の仕事は　（平成２年６月１２日）

雨をこう農婦の願いもとどかづに　パラパラ雨で今宵も終わりぬ　（平成２年６月１３日）

コンバイン次から次の田に移動　たちまちにして刈り取る終る　（平成２年６月１４日）

おかげ様で老いてなお農業の　出来る１年は機械化のおかげ　（平成２年６月１５日）

昨日迄小麦立ちて居りし田は　今日は水はり田植えの用意　（平成２年６月１６日）

田植え済みほっと一息入れたいと　思いきや畑の草はのびて　（平成２年６月１９日）

早苗機はちょっちょっと落しゆく　みるみる中に青田になりゆく　（平成２年６月１９日）

ささやかな酒肴にて夫と二人　まんが洗？いの御祝をな？す　（平成２年６月１９日）

ここち良いそよ風うけてペダルふみ　植え付けし稲田のみまわりに（平成２年６月２３日）

俳句

からつゆに咲くアジサイも元気なく　（平成２年６月２３日）

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