シュタイナーから読み解く神秘学入門

シュタイナーから読み解く神秘学入門

2008年03月04日
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カテゴリ: 神秘体験空間
 前回、もし人間の思考が、つまり通常知識と呼ばれているものが、真実の領域へと入って行くなら、達成すべき、連続した魂の気分について考察した。そして、「献身」と呼んだ魂の状態へと到達するといった。

 もし、前回述べた状態へと上昇した思考、つまり、「驚き」に捉えられ、現実の世界に対する「敬虔」と呼ぶ状態を学び、そして、世界の現象との叡智に満ちた調和の中での、自らの認識と呼ぶ状態を学んだ思考が、更なる上昇により、「献身」の状態として表現した領域へと参入できなければ、真実に至ることはない。

 この「献身」の状態は、自ら、思考の不十分さに、何度でも向き合うという決意を持つ努力によって達成される。この事は、次のように表現できる、

「ある気分を自身の中で喚起し、強化する」

 ように努めなければならない。

 それは、まるで絶えず自分に、次のように言い聞かせるようでなければならない。

「私は、自身の思考が、真実に関する知識を、私にもたらしてくれると期待すべきではない。私が自身の思考に期待できる唯一のことは、思考が、私を教育するということなのである」、と。

 最も重要なのは、この考え、つまり「思考が教育する」という考えを、我々の中で発達(発展)させることなのである。もしこの観点を人生の指導原則として取り上げるなら、一見して、お決まりの結論とは全く異なった結論へと導かれる場合が多くなることが分かるだろう。

 あえて述べるが、哲学者カントに関して徹底して研究した人は多くはいないと思うが、また、その必要はないが、ただここで、カントの最も重要で画期的な仕事である「純粋理性批判」の中に見られる多くの証明が、問題とされている命題の肯定にも、またその否定にも用いられている事実に言及したい。



「世界には時間の始まりがある。」 

 カントは、恐らく、同じページの反対側に

「世界は永遠の昔から存在している。」

 という命題を載せている。

 それから、彼は、これらの命題が正反対のことを述べていることを知りながら、両方の命題を証明するのに有効な証拠の収集にかかる。カントは世界には始まりがあるということも、また、ないということも同じ方法で証明する。

 彼はこの論理展開の手法を「二律背反」と呼び、この方法によっては相矛盾した結論に到達せざるを得ないのを見て、この事自体が人間の認識能力には限界があることの証明であると考える。そして、思考によって、真実との何らかの客観的な調和に至れるなら、当然、彼は正しいことを述べている。

 思考、或いは概念の練磨、もしくは世界の中での経験を、思考において洗練するといってもよいが、この事により、真実に至れるという信仰に囚われている限り、ある特定の命題と、その正反対の命題の両方が問題なく証明できることを、誰かが来て示してくれても、真に、如何ともしがたい。

 何故なら、もし、二律背反に至る思考で、真実に至れるとするなら、一体、二律背反の思考のうちのどちらの思考が、真実に至れるのか。

 (例えば、「命令に従うなという命令」は論理矛盾しているし、また、「例外のない法則はないという法則」も論理矛盾しているわけである)

 一方、もし、何か決定が必要な状況下で、思考が真実に関して、何らの結論にも導かないということを学んでいれば、つまり、もし、思考を、より賢明にするための方法、言い換えれば、叡智に関する自分自身の自己教育の方法であると見なすように忍耐強く自己教育を行っていれば、ある時にはある事が、また別の時には、その正反対のことが証明されることが、我々の障害になることは全くない。

 何故なら、直ちに次のこと、つまり、



 (人間は必ず間違えるということが、人間が間違いを犯すという自由を通して、人間自身を自己教育する。)

 もし、我々人間が、真実により絶えず矯正される存在であるなら(人間に絶えず真実だけが与えられるなら)、概念を練り上げることが、完全な自由の中で、我々人間に、自己教育する方法を提供することはなかっただろう。

 もう一度繰り返すと、概念を洗練させるということが、我々に、効果的で独立した自己教育の方法を提供できるのは、それが真実の干渉により、一切妨害されないからに他ならない。

〔思考は自己教育の為にあり、真実を把握させるためにあるのではなく、真実を把握するには、真実との融合体験が必要である。体験を通じて、真実は自らを思想として物語る。〕





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Last updated  2008年03月04日 21時09分24秒
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