シュタイナーから読み解く神秘学入門

シュタイナーから読み解く神秘学入門

2010年11月12日
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カテゴリ: 神秘体験空間
 今日、現代人は、例えば、歩くとき、「歩きたい」と述べる。現代人は、「歩きたい」という意志が四肢のなかに伝わることを知っている。古代の東洋人は、本質的に異なった体験をしていた。

 今日、現代人が「意志」と呼ぶものを、古代の東洋人は知らなかった。「思考」、「感情」、「意志」と現代人が呼んでいるものが、古代の東洋の民族にもあったと思うのは、偏見にすぎない。古代人は、断じて、そのようなものを知らなかった。

 古代人がもっていたのは、頭での地球の体験や、胸での、地球から太陽に向かう周囲としての体験、ないしは、心臓の太陽の体験だった。太陽は心臓の体験に相当する。更に古代人には、四肢へと伸び、広がっていくという体験、両脚と両足、両腕と両手の動きのなかに、自身の人間性を感じた。

 古代人は、上記の運動のなかに生きた。四肢へと伸びてゆく伸長のなかに内在して、地球の周囲の複製(模像)だけを見ていたのではなく、そこに人間と、天体との関係の複製を、直接感じ取っていた(前回の図参照)。

 頭のなかに地球の複製を見る。頭から、心臓を目指して胸へと下方に開き広がるなかに、地球の周囲の複製を見る。両手両腕、両足両脚の力と感じるなかに、彼方の宇宙空間に生きる星々と地球との関係の複製がある。

 従って、古代の人間が、今日、現代人が当たり前に用いる「意志」から得た体験を言い表すなら、例えば、「私は歩く」とは言わなかった。

 そのような言葉では言い表せなかった。「私は座る」とも言わなかった。もし、古代の言葉の精神的な内容を充分に吟味するなら、現代人が「私は歩く」と表現する事実に対して、「火星が私に衝動を与える。もしくは、火星が私のなかで活動している。」という古代人の表現を、様々な処(古代の遺跡等)で見つけるだろう。

 古代の言葉では、「前進する」ということは、両脚のなかに火星衝動を感じることに相当する。「何かを掴む」という手の動作に伴う感情は、「金星が私のなかで作用する」と表現された。

 「命じること」、乱暴な人間が他の人を蹴飛ばすことであれ、何かを命じることは全て、「水星が人間のなかで作用する」と表現された。「座る」ことは人間のなかの木星の活動だった。そして、休息、怠惰によらず、「横になること」は、土星の衝動に身を任せる、と表現された。



 頭から下へ降るとき、自身の本質のなかで、地球から星(天体)の領域に向かうのと同じことを行なうように感じた。古代人は、頭においては地球のなかにいて、胸郭と心臓では、地球の周囲と太陽に、四肢では外の天体、宇宙にいるものと感じたのである。

 哀れにも、現代人は、抽象的な思考を体験する、というべきだが、ある観点から眺めれば、古代人の体験が可能である。

 では、現代人の抽象的思考が、どれほど現実を反映しているといえるだろうか?

 現代人は抽象的思考を大層誇りにしているが、究めて知性的な抽象的思考に没頭するあまり、頭自身を忘れている。人間の頭は、知性的な抽象的思考よりも遥かに内容に富んでいる。

 脳のなかの微々たる情報伝達ですら(解剖学も生理学も脳の情報伝達の驚くべき秘密について、多くを語っていない)、天才的な抽象的思考よりも、素晴らしく圧倒的な知的存在なのである。

 かつて、地球上には、現代の見るも無残な思考だけではなく、自身の頭全体を意識していた時代があり、当時を霊視するなら、古代人が、頭の、四丘体や視床を感じ、それらを地球の特定の山脈の物質的構造に当てはめ、模写しながら、感じていた時代があった。

四丘体
http://100.yahoo.co.jp/detail/%E5%9B%9B%E4%B8%98%E4%BD%93/

中脳
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%B8%AD%E8%84%B3

視床
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%A6%96%E5%BA%8A

 当時の人間は、何らかの抽象的な学説から、心臓を太陽に関係づけたのではなく、以下のように感じていた。

「自分(人間)のなかの、頭と、胸と、心臓の関係のように、地球は太陽と関係する。」

 当時は、人間が、生活全体を通して、万有の宇宙、いわゆる宇宙(コスモス)と合体していた時代だった。しかも、この合体は人間の生活全体のなかに現われていた。とはいえ、現代人は、頭の代わりに、貧相な思考を据えることで、思考的な記憶を得る状態へと移った。





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Last updated  2010年11月20日 09時28分32秒
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