シュタイナーから読み解く神秘学入門

シュタイナーから読み解く神秘学入門

2012年05月28日
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カテゴリ: 神秘体験空間
 この連続講義の現段階で当然起こってくることを、今回は、少ない時間で出来る限り、暗示的に述べたい。実は、このことを述べるべきか否か、長いこと考え続けていたのも、このことが誤解を生むことが多く、改めてそのように認識させられることになっても、やはり述べることにした。

 人智学協会の内部で話される、これまで講義で述べてきた事柄が、いかに混乱した戯言であるかを指摘しようと長期間にわたって、苦心してきた人々がいる。その人たちは、そのような観点から攻撃してきた。また現在は、次のような意見も現われてきている。

 「このような事実は、もはや獲得できないはずなのに、これらの事実が与える印象からすると、どうみても、古代の秘儀を、後から研究して獲得できる事実と一致している。」

 そして、また別の「秘儀に対する裏切り者だ!」という私(シュタイナー)への非難も作り出される。そのような人たちは、それらしく既成事実化する可能性を見つけ出したり、言われている内容をもはや否定できなくなると、そのような事柄を述べるのは不都合だ!と主張しはじめる。

 さて、今日、述べておきたいことは、次のようなことである。

 「物質的に人間を観察するだけでは、人間の一部しかみていないことになり、しかも、そのように判断するのが当然なのだが、それは次のような理由から、はっきりと理解しておくべきである。」

 人間のなかには、エーテル体、アストラル体、自我が観察され、これらは、人間の生体のなかで、絶えず働きかけ、絶え間なく活動し続けているが、これから述べることを考慮して、いまはあえて「認識」とするが、当然のことながら、外的で、「物質的な認識」を完全に拒む。

 しかし、だからといって、霊視と呼べる類の知力や判断力を、自分のものにできるように、良き意志をもって自らを教化する可能性がなくなるわけではない。その際、明確な像を観れるような霊視にまでは到達できないが、少なくとも、霊視的な直観と強く有効な関わりがあるような判断力は得られる。

 さて、以下のようなことを考えて欲しい。



 エーテル体は、幼児期に比較的、まだボンヤリとした形で無意識に自我に支配されている。年齢をとるにつれ、この支配はなくなる。ただし、成人してからもなお、強力なファンタジー性をもつような人の場合、エーテル体に対する自我の強い影響も残存する。

 しかし一般的に、分別的で、味気ない知性偏重主義になっている人の場合、自我は物質体に対して強い影響力を持ってはいても、エーテル体に対する影響力は弱い。

 物質体に対する影響を正しく思い浮かべるだけで、次のような構図が得られる。

 「自我は、物質的な生体機構全体に沿って働き、1種の精妙な骨格のようなものを広げている。」

 実際、物質体には、精妙な骨格のようなものが組み込まれている。物質体に組み込まれている、この精妙な骨格は、人間のファントムとして捉えられ、常に人間のなかに存在する。

 人間は、もっぱら自我を通じて刻印(顕現)された骨格をまとっているが、これは非常に精妙な骨格で、勿論、様々なエーテル体の力により物質体へと組み込んでいる。しかし、人生の経過に伴い、エーテル体を意識的に組み込む力を徐々に失い、結局、ファンタジー性に満ちた創造の際の意識半ばの夢のような状態で残るだけとなる。

 さて、自我が、人間の生体組織のなかに組み立てる、この精妙な骨格は、本質的には幾分異物であることを、容易に見て取ることができる。この骨格は、幾分異物となる。

 人間の生体組織も、この精妙な骨格に抵抗する傾向をもつ。生体組織は、毎夜睡眠中に、この精妙な骨格を破壊しようと努めている。

 通常の生活のなかでは、このような精妙な骨格の知覚がなくても、この精妙な骨格が、生体組織のなかで、いわば破壊や分裂の傾向を絶えずもつことで、継続的に生体組織のなかの炎症の隠れた原因となっていることをやはり忘れてはならない。

 実際に、自我が、人間の生体組織のなかへと、ファントムを作り出し、このファントムに対して生体組織は、異物に対するように抵抗し、そして、この異物となるファントムも、物質的な生体機構のなかで、いわば崩壊し、分裂して、生体から抜け落ちていく傾向をもつ。

 さて、視覚機能を、心理-生理学的に研究してみれば、この精妙な骨格について、一致した見解がもてる。というのも、魂と外界の間で演じられる全てが、外界、ないし眼を通じて、この繊細な骨格の確立を、正真正銘の如く、明示しているからである。



 通常の多くの人にとって専ら、視覚を通じて生体組織のなかに組み込まれた、いわゆる正常なファントムと、盲目の人の場合の生体組織への自我の活動の結果であるファントムとの相互関係が、非常に良く比較できる。

 この比較を、図で表現するなら、次のような結論にいたる。

 「視覚、つまり、視覚の経過を通じて、生体組織に、ファントム、つまり精妙な骨格が組み込まれる。この骨格よりも、自我の経過を通して本質的に組み込まれた別の(本来の)精妙な骨格の方が、少し深い、内側にある状態になっている(下図参照、黒の点線と黄の点線)。」

med1-21.gif

 内側にある精妙な骨格(ファントム)は、様々な物質力の輪郭を明確に描いている。この精妙な骨格は、自我を通じて、組み込まれた物質的なファントムで、実際の精妙な骨格である。

 ところが、視覚を通じて仲介される外の精妙な骨格は、まだエーテルである。従って、次のようなことを見ていくと興味深い。



 要するに、視覚の研究から、上図のように描いたエーテル体を、物質的な認識力に沿って理解できるようになる。

 視覚に注目する以外に、人間のエーテル体についての把握を可能にする方法はない。視覚によらない内の自我による精妙な骨格(ファントム)は、人間のなかに既に備わっている。

 近視、もしくは遠視に注意を払い、エーテル体の作用を捉える習慣を身につけるなら、エーテル体に対する知覚の感受性を育成できる。

 更に、眼を閉じた瞑想状態から、本来の自我による精妙な骨格を把握できれば、視覚を通じて人間のなかに呼び起こされる精妙な骨格との比較観察から、エーテル体の把握へと上昇するのは、もはや、それほど困難ではない。





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Last updated  2012年05月28日 16時36分09秒
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