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問責決議案 見送りは有権者を裏切る
2010.8.6 産経新聞「主張」
千葉景子法相と荒井聡国家戦略担当相に対する参院への問責決議案提出が見送られた。臨時国会の会期は6日までである。これでは、参院選で示された有権者の意思を裏切ることになるのではないか。
夫婦別姓制度の導入や人権侵害救済機関の設置法案に取り組んできた千葉氏には、自民党などが批判を強めてきた。だが、何よりも問題視されているのは、7月の参院選で落選した後も、千葉氏が大臣であり続けたことだ。
法的に問題はないにせよ、選挙で有権者の信を得られなかった人物が、死刑執行命令書への署名などの重要な判断を迫られる大臣の任にとどまることについて、自民党は予算委員会などで厳しく反対意見を述べてきた。
9月の民主党代表選以降に想定される閣僚人事で、千葉氏は退任する可能性が大きい。今国会で決議案を提出しなければ、法相としての適格性を問う機会がなくなる。それは野党としての責任放棄といえよう。
一方、荒井氏については、事務所費の不正処理に関する疑惑が浮上している。自民、公明両党などは6月の通常国会で問責決議案を提出したが、民主党の強引な国会運営によって廃案となった。疑惑はうやむやになりかけている。なぜ、野党は今回、荒井氏への問責決議案を提出しようとしないのだろうか。理解に苦しむ。
鳩山由紀夫前首相や小沢一郎前幹事長らの政治とカネの疑惑について、民主党はけじめをつけたというが、国民はそう見ていない。民主党政権は今国会でも疑惑解明の努力を示さなかった。こうした態度で国民の政治に対する信頼を取り戻せるのだろうか。
千葉、荒井両氏の問題も同様である。問責決議案の提出が見送られ、今国会が閉会すれば、問題は放置されたままになる。民主党だけでなく、国会全体が国民に対する責務を果たしていないことになりはしないか。
野党が決議案を提出できない一因として、公明党が慎重姿勢を示していることが挙げられる。公明党の判断によって、菅直人政権が助けられていると言えなくもない。野党の足並みがそろわないのは、野党第一党の自民党の統率力の欠如も意味している。これでは、今後も野党が国民の期待に応えることは難しい。
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