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2010年11月03日
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カテゴリ: 社会情勢

【主張】憲法公布64年 国家の不備を正す時だ 尖閣を守る領域警備規定を

2010.11.3 03:21 産経ニュース

憲法公布から64年を経た日本がいま、これまで想定していなかった事態を迎えつつある。

尖閣諸島沖で起きた中国漁船衝突事件は、力ずくで現状を変更しようとする大国の正体をみせつけた。ロシアのメドべージェフ大統領の国後島訪問も、日本固有の領土への不法占拠を既成事実で正当化しようとする試みだ。

中露による揺さぶりは、今後さらに先鋭化するかもしれない。外交による打開に努めるのはいうまでもないが、日本の領土である尖閣諸島に対する中国の領有権の主張がさらにエスカレートした場合、尖閣の守りが危うくなりかねない事態を迎えよう。

そのとき日本はどうするのか。主権国家として不法な行動を排除できるのか。答えは困難、としか言いようがない。

例えば、領海を侵犯する無害でない行為を日本は排除し、処罰する規定を持っていない。こうした国家としての不備が他国につけ込まれる一因にもなっている。

これらは憲法9条の戦力不保持規定に象徴される「非軍事化」に束縛されているからだ。これで、これからの荒海の世界を乗り切れるのだろうか。憲法と日本の国のありようが問われている。

◆既成事実化を狙う中国

衝突事件の起きた9月7日、尖閣周辺では160隻もの中国船が確認され、そのうち約30隻が領海侵犯していた。それが日常茶飯事だという。

尖閣諸島に対し、中国は着々と布石を打っている。1992年の領海法で尖閣を自国領土と明記し、一昨年12月には中国の海洋調査船が尖閣周辺の日本領海を9時間侵犯した経緯がある。今回も中国は、日本が中国人船長を公務執行妨害容疑で逮捕したことに対し、激しく反発した。

こうした領海侵犯に対し、海上保安庁は漁業法や入管難民法などで対処している。領海法や海洋基本法はあっても、領海の範囲や海洋開発の基本理念などを定めているだけで、「領海侵犯罪」が存在しないからだ。

先月24日、中国の漁業監視船2隻が尖閣周辺の領海の外側約22キロの接続水域を航行し、巡視船の呼びかけで約1時間半後に接続水域を出た。監視船が領海内に居座ったとしても、退去を呼びかけるしか排除の方法がない。領海外への強制退去を可能にする法的根拠がないのである。

もう一つの喫緊の課題は、自衛隊を有効に活用できるかだ。海上自衛隊は尖閣周辺で哨戒機による警戒などを行っている。海上警備行動が発令されたとしても巡視船と同じ警察行動しかとれない。

漁船に擬装した工作船に乗った外国人が、尖閣に上陸した場合でも、外部からの武力攻撃と認定できなければ自衛隊は動けない。

このような行動を未然に阻止する仕組みが、自衛隊に領土・領海などの領域警備の任務を与えることである。自民党やたちあがれ日本は領域警備法案などを検討している。危機的な事態を防止するためにも、政府が必要な法整備を決断すべきである。

◆審査会の早期始動を

これまで国家としての不備を放置してきたのは、「憲法改正が戦争につながる」といった戦後の絶対平和主義が色濃い論議に押さえ込まれてきたからだ。自らの手足を縛り他国と摩擦を起こすまいとの判断が、主権を脅かされる事態を招いたといえる。

一方で注目すべき動きがある。平成19年に衆参両院に設置された憲法審査会は、憲法改正原案を発議することができるが、設置から3年以上も始動しないままの状態が続いている。

ここにきて、ようやく参院側で打開の動きがみられる。参院の民主、自民両党幹部の協議で、委員数など審査会の運営ルールとなる「規程」の制定に民主党が応じる考えを示した。衆院は昨年の政権交代前にすでに審査会規程を制定している。参院での前向きな変化を、両院での審査会を活性化させる動きにつなげるべきだ。

日本の守りの不備をどう是正するかなどを、審査会で論議すべきだ。具体的には憲法に加え、集団的自衛権の行使容認などに踏み込み、安全保障上の問題点を取り除く必要がある。

民主党は党の憲法調査会ポストを空席にしたままだ。政権与党として、憲法改正への主体的な取り組みを求めたい。






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最終更新日  2010年11月03日 10時56分11秒


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