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2012年01月14日
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カテゴリ: アジア情勢
金総書記死去・北東アジアの戦略的構造変化へ対応せよ



中国の動きが素早い。金正日総書記死去後の北朝鮮に積極的に働きかけている。人民日報傘下の国際情報紙「環球時報」は11年12月20日付で「中国は朝鮮の安定(権力)移行の信頼できる後ろ盾」と題する社説を掲載した。「一部国家は北朝鮮の権力移行期を地域の戦略的構造を変える契機と見ている。北朝鮮と地域戦略の安定は試練に直面している」と指摘し米国を明確に意識している。その上で、「中国は断固として北朝鮮の自主独立を守り、権力移行が外部の妨害を受けないよう保障しなければならない」と主張した。

さらに、韓国の聯合ニュースは12月22日、北朝鮮の金正日総書記の国葬後に、中国が食糧支援を準備している模様と報じている。金正恩体制を積極的に支えていく姿勢を示すものと言える。北朝鮮は中国の第一の「核心的利益」なのである。

突然の「金正恩体制」が抱える不安

金正日総書記の死後、金正恩中央軍事委員会副委員長(28)が、自らの名前で初めての軍命令を発し全軍の指揮権掌握を宣言していたことが11年12月21日、明らかになっている。もちろん国防委員会委員長や軍最高司令官など軍トップの肩書もないままである。命令第1号は、金総書記が生前使っていた「最高司令官」名ではなく、ただの「大将」名で出される奇妙な形でだされた。軍大将、朝鮮労働党の軍指導組織である党中央軍事委員会の副委員長、党中央委員の肩書が現在の肩書きである。

一昨年9月、正恩氏を後継者に確定した党代表者会では、早期に金総書記が執務不能となる事態を織り込み、過渡期をにらんだ体制が準備されたのである。絶対的権力者の金正日体制下で有名無実化していた党中央軍事委員会の活性化だ。委員長だった金総書記の下に、新設した副委員長ポストに正恩氏と、軍部での正恩氏の後見人で事実上の軍トップとされる李英鏑(リヨンホ)人民軍総参謀長を据えた。16人の委員には、金永春(キムヨンチュン)人民武力相(国防相)、金英徹(キムヨンチョル)・軍偵察総局長、金正覚(キムジョンガク)・軍総政治局第1副局長ら有力将官が名を連ねた。

さらに、党中央軍事委には、金総書記の妹婿の張成沢(チャンソンテク)党行政部長(政治局員候補) ら党の文官も配置されている。張氏は党の実務や政務の正恩氏への指南役だ。軍と党の主要人物が中央軍事委員会に集まることで、国家全体の臨時の「司令塔」となっている。

新体制発足に伴い、脇に置かれることとなった実力者もいる。彼らは新体制の政権運営がつまずいた場合、批判勢力に転じる可能性が高いといわれている。中でもその動向が注目されるのは、金格植・前総参謀長(71歳)である。第4軍団長に就任(左遷ともいわれる)した後、韓国に対する挑発作戦を実行した。一昨年の韓国哨戒艦撃沈や延坪島砲撃などである。しかし、金格植は昨年11月、第4軍団長から退いている。金正日総書記の葬儀委員名簿からも漏れており、失脚したことも考えられるが、軍内部に影響力を持っている人物だけに今後の動向が注目される。

金正日総書記は、今後世襲政権が安泰だとは信じていなかったはずである。そこで彼が重視したのが、いわば″影の機関″の役割だった。昨年から特殊部隊の精鋭から成る「暴風軍団」を金正恩副委員長の指揮下に置き、中朝国境地帯などで秘密警察的な監視業務にあたらせてきた。暴風軍団は金正恩副委員長の親衛隊的な存在でもあり、軍や治安機関よりも上位の権限を与えられていると見られる。また、金正日総書記は秘密警察「国家安全保衛部」の権限を強化し後ろ盾としてきた。昨年春までに、正恩副委員長を同部の事実上の指導者とする措置も済ませている。覚悟の人事であった。



北朝鮮の緊急事態に備え、米韓は「作戦計画5029」と呼ばれる軍事的対応策を作成してきた。内容は公開されていないが、韓国メディアなどによると(1)政権交代やクーデターなどによる内戦発生(2)反乱軍が核など大量破壊兵器(WMD)を奪取(3)住民の大量流出-など六つほどのシナリオを想定。それぞれの事態に対処する部隊編成や装備、対策について規定しているという。

北朝鮮の混乱や崩壊があれば、北による大量破壊兵器の使用や拡散を防ぐため、もう一つは北朝鮮が中国の完全な影響下に入ることを防ぐため、米韓軍は38度線以北に進攻するだろう。沖縄の米海兵隊も重要な役割を果たすことになる。

米軍制服組トップのマレン統合参謀本部議長(64)は一昨年12月8日、韓国軍の韓民求(ハンミング)合同参謀本部議長とソウルで会談し「日米韓3国合同軍事演習」の必要性を訴えた。異例の要請であり、両国の難しい歴史的関係を知る米軍部があえて持ち出したのは、よほど危機感を持っていたからである。

わが国にとってもう一つの課題がある。邦人救出問題である。韓国に滞在する邦人は約三万人、短期旅行者だけでも一万人前後はいる。政府の在外法人保護の流れは次のようになつている。(1)スポット情報(2)危険情報(4段階、十分に注意・渡航の是非を検討・渡航延期・退避勧告)(3)自主退避(4)チャーター機などで退避(5)自衛隊機などで退避(6)米軍機などで退避である。

韓国国内に対する自衛隊機の乗り入れは過去の経緯を考えると現段階では困難である。現実的には米軍に頼らざるを得ない。邦人保護では米軍との連携が鍵を握ることになるが、韓国との連携を一時も早く模索すべきである。隙問のない連携で中国主導の北朝鮮完全支配を阻止しなければならない。





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最終更新日  2012年01月15日 00時06分44秒


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