今回は「登録」のあるものを紹介します。

東城戸町の故井田(上村)康子先生宅です。 先生は奈良女子大附属中高の教官のあと佐保短大でも高村光太郎や源氏物語などの研究・教育に精励されました。直接の血縁がなかったようで、生前からその資産を地域に寄贈されてきました。東城戸「大国社」の拝殿や東大寺二月堂北側の手水所、さらに佐保短大「井田康子賞」奨学基金などに名前が残っています。この自宅についても「自身の死後は奈良市に寄付する」ということで、文化庁の 「登録有形文化財」 のプレートが取り付けられていました。
ところが、この写真を撮影した今年1月には、あったはずのプレートがみあたりません。先生の遺志があったとはいえ、何らかの処分がされるのではと危惧されていました。
しかし今日、前を通った時に撮影したのが下の写真です。プレートが復活しています。やれやれ。

もう一つ、近くの 松寿堂 さんの前を通ると、こんなディスプレイがされていました。

「ならまちまちかど博物館」 ということだそうです。ちょっと写真だと格子で見にくいのですが。
次に、「ならまち大通り」を渡った先、南城戸町の二軒も紹介します。


「和ロウソク」の製造販売を行っていたという 「細川家」の建物は県指定の文化財
。 そして細川家の隠居部屋として作られたというのが、お隣の 「森家」でこちらは奈良市指定文化財
。


こちらの当主は、先の松寿堂さんとは先々代同士がご兄弟だそうです。美しく修復されたのをそのままにするのはもったいないと、このところ土曜日曜には公開して来客にお茶を出したりされています。入ってすぐの「みせの間」は、茶室風の造りで、網代天井がみごとです。ちなみにこのお向かいのアパートの一室には「五想庵」というデザイナーさんのプライベートギャラリー(こちらも土日にオープン)があったりして、新旧のデザインを楽しむことができます。
今回は「登録」されたものだけですが、その他にも、趣のある町家が中街道周辺にはたくさんあります。元興寺周辺のいわゆる「ならまち」だけではない奈良の町の面白さを感じていただければと思います。

その後、井田邸の経緯について周辺から事情を聞きました。
自宅については、生前、奈良市ではなくて「奈良まちづくりセンター」におまかせしますという話だったそうです。事情のわかった弁護士さんもついていたそうですが、最晩年は周囲とのコミュニケーションも困難となり、解任されて別の方が付いたらしく、「まちづくりセンター」もそれ以上関われなくなった。そして「通院等の駐車場に」ということで、奥の西側で接する敷地を買収して更地にした。(寺林からの東西の通りに面する) しかし、結局、現在転売を検討されているらしいと。一時、「登録有形文化財」の指定を解除するにはどうしたらいいのかという相談もでていたということです。
ということで、プレートは戻ったものの、今後の動向は予断を許しません。 以前は、井田先生のいとこにあたる方たちが面倒を見られていたそうですが、現在どうなっているのか、そこまで突っ込んで訊いた方はないようです。裏の敷地がかなり広くありますので、できればそちらにマンションなどを建てるにしても、街道側は現状を維持もしくは整備してほしいものです。
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