a comfortable vacation

2010.07.26
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カテゴリ: going traveling
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パシパシ撮っていた。
やがて空港へ向かうバスがきて、一番前に座り、行きにホテルまで届けてくれた若い男の
添乗員と話した。
こんがり焼けた彼は「もう日本で仕事する自信ないです。」なんて言う。
うんうん、東京のオフィスでパソコンたたくより、ここで観光の仕事をするほうが
ずっと楽しそうだと思う。
やっぱり南国って何だかどことなく、東京よりも人々の緊張感が低く、ストレスがない気
もするしね。

サイパンから日本へ飛んでいるデルタ航空の機内はとても狭く、ほぼ満席だ。
左隣にはオットが、右隣には、若いちょっと色の黒いチャロモ人と思わしき人が座った。
彼は大きな音量で音楽を聴いていた。
突然、その隣に座っていた男の人が、私達にビデオを見て、とデジカメの映像を再生し始めた。
それは豚を切り、内臓を出し、豚をさばいている映像で、家族の庭かどこかでのBBQの一場面
だった。
なぜ彼が急にその映像を私達に見せたのかはよくわからないが、私達が肉を食べるという事は
こういう処理の上に成り立っているわけだけど、ちょっと肉はしばらく食べたくないと思った。
そのビデオには、彼の家族も写っていた。
奥さんと子供のようで、楽しそうなひとときが伺えた。
前の座席の下に置いたリュックから、もしやとは思っていたけれど、彼はアメリカ軍の戦士だった。

彼は家族と離れた寂しさをこらえ、そして精神的にとても不安定になっているように見えた。
たった今「Dear John」というアメリカ兵士を題材にした映画を見たばかりだったので、
私は気軽に言葉を発することができず、なんともなんと声をかけたらいいのかわからず、
「家族と離れてさみしいでしょう。」とか「危なくないといいね。」何て言葉しか言えなかった。
また音楽を聴き始めた彼だったが、彼の心がビンビン私達夫婦には伝わってきて、何となく

成田につき、国際線乗り継ぎのほうへ行く彼にバイバイと手をふったときの、彼の笑顔が今も
頭に残っている。
しばらくは彼の事を頭から離れず、改めて、兵士を必要とする世の中の悲しさが心に残った。





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Last updated  2010.07.31 08:12:33


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