AD/Marketing-BIZな日々 by T.Suzuki

タクシーの運転手に学ぶマーケティングの極意。

先日のこと。深夜に渋谷から帰ろうとして、道玄坂上でタクシーを拾ってユーターンしてもらったら、途端に右から来た車にぶつかってしまいました。（添付写真はそのぶつかっている箇所です）警察も来てワイワイやったのですが、幸いにも車以外には大変なことはなく、私も口の中を切ったくらいで、いまのところ後遺症も出ていませんし、タクシー会社も運転手名も控えてますのでそれはそれで不幸中の幸いでした。で、まあ災難だったなあ、と思いながら別のタクシーを拾って「これこれこういうわけで事故にあってしまいました」とその運転手に話したのをキッカケに、とても興味深い話が聞けたので以下それを皆様にも。1）タクシーの運転手の稼ぎを左右するものは？　・「たまたま乗せたお客の行き先が遠くなのか、近くなのかによって売上が違うから、運が大きいのではないのですか？」と聞いたところ；　・まずは常に流していることが大事：実車率を高めることが一番。　・その意味では、駅やホテル、テレビ局や電通などの前でずーっと列を作って待っているタクシーはダメ。1-2時間待って結局800円、ということも多く、待つだけの甲斐はない。　・また、目的地に行くまでも、なるべく早く着くルートを知っているかどうかも大事。同じ区間を30分かけていくより、20分で着いてその後また別のお客を乗せるほうが絶対にお金になる。2）その極意は？　・他の空車タクシーが行かないところで、なおかつお客がいそうなところを行く。それは、釣りのポイント探しにも似ている。　・交差点で瞬時に判断することもある：前のタクシーにお客が乗っていても、その人が腰を浮かしていたり、指で支持していたりすればそれはその人がもうそろそろ降りる、というサインであるから、その後にはついていかない。　・目的地に早く着くためには、それぞれの場所で、どの車線にいると早く動けるのか、どのルートを行くと信号につかまりにくいのか、といったことを経験から知っている必要もある　・狙い目はラブホテル。お互いの住んでいるところでは出来ないためにそこにいるわけで、なおかつ男性が女性を送っていくことが多いため、例えば埼玉経由千葉、といったこともあるので効率的である　・しかもその際、女性がキレイなのはダメ。キレイな人は、いろいろなサポートを受けて都心に住んでいる場合が多い。それほどでもない女性の場合は、埼玉や千葉など、遠くに住んでいる確立が高く、その分送っていく時には長く乗ってもらえる可能性が高い。・・・これって、普通のマーケティングと全く同じ視点。競合分析、ターゲティングおよびその行動分析、効率・行動の最適化を意識しながら車を走らせている、という恐るべき運転手でした。ちなみに、個人タクシーというのは、運転手暦8年からチャレンジできるそうですが、そのタイミングだと難しい試験（細かい場所までの一番早いルートを答える、など）が必要で、10年経てばそれは必要なくなるとのことですが、この運転手は「個人事業主になると、自分の好きなときに運転できる、という自由はあるけど、何かトラブルになった場合に会社がサポートしてくれないのであまり興味がない」そうです。なるほどその２。