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電通が、毎年恒例の日本の広告費・2009年版を発表しました。それによると、総広告費は5兆9222億円で前年比11.5%減。2年連続での減、なのですが、それよりもちょっと驚いたのが今回発表するにあたっての電通のある意味での狼狽ぶりがその発表の仕方に出ていること。2008年・日本の広告費と比較すると分かるのですが、1)今までずっと付いていた一覧表がない: ・「媒体別広告費一覧表」(3年分での比較) ・「媒体別広告費」(過去10年程度の推移表) ・「業種別マスコミ4媒体広告費」(3年分比較) という3つの一覧表が、今まではリリース本文の後ろについていました。ところが今回はそれがありません。暦年比較されるとその減少状態がますます目立つから?なのでしょうか。 しかも、リリース本文には(表1)とか(表5)とか書いているのですが、それ(上記)が付いていない、というところにもそのあわてぶりが見えます。2)マスコミ4媒体合計の金額を出していない: ・最初に総広告費の金額は出していますが、次に媒体別の話をするのに、対前年比(85.7%)しか書かず、金額を記していません。今までもリリース本文では書いていませんでしたが、上記の一覧表でそれがすぐ分かったのが、今回は付いていないためすぐにはわかりません。でも4媒体別での対前年比と金額は書いているので、それを合計すればまあすぐ出るのですが、にしても・・・ということで、今年のリリース本文にある数字と、昨年までの一覧表を使って今年の分を作ってみました。 媒 体 広告費 対前年 構成比 総広告費 59,222 88.5 100.0 マス4媒体計 28,282 85.7 47.8 新 聞 6,739 81.4 11.4 雑 誌 3,034 74.4 5.1 ラジオ 1,370 88.4 2.3 テレビ 17,139 89.8 28.9 衛星メディア 709 104.9 1.2 インターネット 7,069 101.2 11.9 SPメディア計 23,162 88.2 39.1上記を見てもうひとつ気になったのは、新聞などの記事では「媒体別広告費、とうとうネットが新聞を上回った」というものでしたが、ネットの伸びがたったの1.2%だった、ということ。それまでネットの広告費は、対前年で07年が24.4%増、08年が16.3%とほぼ一人勝ち状態だったのが、その伸びが突然止まってしまった、ということです。もちろん、電通のリリースでも、その背景として「人材・不動産・金融などの有力広告主が予算減となったこと」も挙げていますが、それ以外に「各広告媒体のページビューの伸びが頭打ち傾向にあることから、バナー広告などは前年よりも減少し、検索連動広告を含むウェブ(PC)広告は前年比99.0%の4417億円となった」という気になる記述もあります。ところが、その記述の上に検索連動広告は前年比101.4%の1710億円、とあるので、(本来広告媒体のPVと直接関連がないはずの)検索連動自体も頭打ち状態にある、ということが分かります。ただし、モバイル広告は前年比112.9%の1031億円、とひとり気を吐いています。さて、今年の広告はどのようになるのでしょうか?
2010/02/22
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2月15日付のAdAgeに、「ソーシャルメディアでテレビの生放送が盛り上る」という記事が載りました(リンク先は英語)。これ、アメリカでの話ですが、今年のグラミー賞などの生番組の視聴率(正確に言うと全視聴者数)が2009年は前年に比べて上がった、というもので、具体的には:・ゴールデングローブ賞: +14%・MTVビデオミュージックアワード:+6%・グラミー賞: +35%この背景として、Twitterなどのソーシャルメディアがある、ということなのです。つまり、ライブで進行しているイベントをみんなでテレビで見ながらソーシャルメディア上でいろいろな意見を言い合うことで、その発言を見た人がその番組に興味を持って見る、という状況が起きているのです。それを裏付けるものとして、以下の情報も挙げています:1)MTVムービーアワード(2009年5月30日) ・「ブルーノ」や「ニュームーン」に対する話題がオンライン上で盛り上がり、500万以上の視聴者が事前録画のテレキャストにアクセス(前年比73%増) ・MTVムービー賞の特設サイトへのアクセスも前年比205%2)BETアワード(2009年6月28日) ・BET(the Black Entertainment Television)賞のTwitterアカウントは4万以上のフォロワーがあり、最後のマイケル・ジャクソンへのトリビュートのコーナーは、CATVにおける2009年度最高の視聴者到達、104.5万に達した3)MTVビデオミュージックアワード(2009年9月13日) ・Kanye Westの会場でのやんちゃぶりに対し、Twitter上での関連するワード(「Kanye」「ビヨンセ」「レディ・ガガ」など)が上位にランクされた4)グラミー賞(2010年1月31日) ・総視聴者数は前年比35%増の258万人に(2004年以来最高) ・TBWAがイベントにあわせて作成した「We're all fans」特設サイトは約30万のユニークビジターを最初の1ヶ月で獲得確かに、日本でもオリンピックやサッカーやとんねるずの「きたなシュラン」とか(笑)、包装を見ながらそのまま感想などをTwitter上でつぶやきあう人たちは多いわけで、これはある意味納得できる話です。3月7日に迫ったアカデミー賞において同じ現象が起きるのかが注目されているようですが、ぜひ日本においても同じような現象が起きているのかどこかで検証してもらいたい&それを新しいコミュニケーション活動の提案として活用してほしい、と。
2010/02/17
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今朝の日経の広告企画「2010年の社会環境とITの新潮流」に、ソフトブレーン創業者の宋文洲さんの『大人は環境のせいにしない』という題の講演内容が載っていました。これ、まったくITの新潮流とは関係ない話でしたが(笑)、今の日本に欠けているもの、日本人が誤認しているものを鮮やかに切ってみせてくれたものでした。ご自身が日本で仕事を始めたきっかけなども書いているのですが、上記に関した部分を抜粋します。もちろん(c)日本経済新聞、です。********日本人はしばしば「我々はものづくりにたけている」と口にする。本当にそうだろうか。日本の携帯電話は性能も品質も高いのになぜ中国では売れないのか。日本の銀行ATMは機能が優れているのになぜ世界でシェアを取れないのか。世界の家電をリードしてきた日本メーカーを全て合わせても、韓国サムソン1社の利益の半分にも届かないのか。そうしたことをロジカルに考えてみて「ものづくりにたけている」と言えるだろうか。かつて「中国は日本に比べて50年遅れている」と言われた。しかしそれが30年になり、10年になり現在はどういう状況だろうか。最近、中国に帰り上海近郊のアパレルメーカーの工場を見学した。非常に活気のある企業で、社長は40代前半と若く、工場も非常に清潔。そこでは日本ブランドや欧州ブランドの製品も生産している。私は世界の市場の壁がなくなれば中国は成長する、と考えてきたがまさにその状況になっている。つまり日本の問題は技術力ではなく、ビジネスに対する戦略、ものづくりとは何か、技術とは何かという発想の問題だと思う。日本人は「資源のない国だから、ものづくりで立国するしかない」と説明する。確かに鉱物資源は少ない。しかしおいしい米が収穫できる環境があるし、海の資源も豊富にある。結局は「ないものねだり」なのではないだろうか。私は、子供に中国で教育を受けさせたいと思う。それは、中国は嫌な面もある反面、ものすごくタフな面があるからだ。そのタフさは学ばなければならない。日本企業が多く中国に進出しているが、成功している企業には共通の部分がある。それは中国に同化し上手に現地化していることだ。それに対して成功していない企業は、日本人同士で集まり「中国は難しい」とぐちをこぼし合っている。日本は特殊でないし、同じように中国も特殊ではない。どちらも世界の一部なのだ。だから日本には、勝つチャンスがまだまだたくさんある。勝つためにまず必要なのは、発想を切り替えること。日本製品のクオリティーの高さは知られている。同じ価格なら2割程度品質が高ければいい。逆に同じクオリティーを保ちながら2割安くすればいい。これは日本の技術力があれば実現不可能ではない。そして現地に根ざした営業力アップがキーワード。それができれば楽々と競争に勝てる。それをやるかやらないかだけである。*******・・・もちろん、一部極論もあるとは思うが、たぶん宋さんは意図的にそう書いている。いろいろ反論もできるかもしれないが、でもそれはもしかすると「できない」というための単なる言い訳かも知れない。小さくまとまってその自分を自己正当化して引きこもるよりも、もっと異なるものに対しても心を開いてぶつかっていく、そんなことを期待しているからこその講演内容であり、日本に対する熱い想いがある、ということを感じることができた、久々に骨太な言葉だった。
2010/02/16
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3ヶ月ぶりの書き込みです。ご無沙汰していてスミマセン。2月11日の日経に、日本の広告会社大手3社の業績見通しの記事が載りました。(金額は億円、ADKは2009年1-12月期) 売上高(前年比) 経常利益(前年比)電 通 16,360 ( 87) 334 ( 63)博報堂DY 9,235 ( 89) 71 ( 42)アサツーDK 3,502 ( 88) 10 ( 21)各社とも売上は1割以上減、経常利益にいたっては電通4割減、博報堂半減以下、ADK8割減、という状態です。電通の経常利益は当初予想よりも58億円の上振れでしたが、4-12月期のマス4媒体売上高は前年比1000億強減の6007億円、と主力の広告事業は低迷を続けているとのこと。しかもこれ、すでに厳しい環境下にあった2008年比、での数字です。ここ5年の数字を電通で見てみると(データは電通の業績ハイライト http://www.dentsu.co.jp/ir/zaimu/index2.html より、金額の単位は億円、indexは2007年度を100とした比較) 2006(index) 2007(index) 2008(index) 2009(index) 2010(index)売上高 19,633 (94) 20,940 (100) 20,576 (98) 18,872 (90) 16,360 (78)営業利益 588 (94) 628 (100) 561 (89) 432 (69) 259 (41)経常利益 648 (93) 700 (100) 680 (97) 534 (76) 334 (48)と、2007年度比で売上は3割以上減、営業利益は6割減、経常利益は半減、という状態であることがわかります。ちなみにこういう記事を書くと、「マス広告が効かなくなった」という話になりがちですが、私はあまりそれは一概に言えないことのように思います。総広告費に占めるマス4媒体広告比は2008年でもまだ49%、テレビが28.5%も占めているような傾向は先進国の中では日本と韓国くらいでしか見られませんし、新聞の全国紙の部数が1000万部前後、というのもとんでもない数字(アメリカでもトップのUSA Todayや、Wall Street Journalも200万部前後)、ということを考えると、メッセージを届けるツールとして絶対数がほしい場合にはいまだに日本のマス媒体は強力です。またコンビニで売っているような日常品やファーストフード、携帯電話などのカテゴリーに関しては、広告で見た情報や話題がいまだにその売上に大きく影響するのも日々の記事等で確認することができます。問題は、企業側は「こういうターゲットに、我々の商品・サービスのこういったバリューを、こういうメッセージで、効果的に伝えたい」と思っている(=広告なのか、PRなのか、店頭なのか、口コミなのか、ネットなのかはその結果としてのチョイスでしかない)のに対し、それに対する確たる回答をまだまだ見出せていないことにあるのでは、ということです。そうなると、企業側にしてもエージェント(広告・PR・販促・デジタル含め)に対してお願いすることがだんだん限られてきてしまう、という状況になり、それが金額にも現れてきてしまうんではないか、と。個人的には、これに対する1つの突破口としては、「どれだけ消費者を知っているのか」だと思います。もちろん、色々な会社が消費者調査をやり、シミュレーションモデル等を作っていますが、それが結局毎回の「調査」に基づいているものである(=対象者は調査に報告することを意識して行動・回答してしまう)という大前提を抜け出さないと、特に今のようなネットで自らが発言するような状況には納得のいくものが出てこないのでは?とも感じています。そういう意味では、先日、日本PR協会の主催する「PRアワード」でツール・スキル部門の最優秀賞を取った野村総研のアプローチ(http://www.is.nri.co.jp/data/pr/index.html)は面白いかも、と思いました。要するに膨大なパネラーの日々の行動とメッセージ接触を追いかけていくことでその効果を確認する、というものですが、こういう取り組みからの新しいコミュニケーション提案をできるパートナーを、企業側は求めているのかもしれません。
2010/02/13
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