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Aug 30, 2010
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カテゴリ: 観劇


新之助時代はむしろ好きだったし。
今でも、姿かたちは本当に綺麗だと思うし、目力も半端ないし、声だって良いし、
ものすごく華があるし、とても素質に恵まれた素敵な役者さんだと思う。
それだけに、どうも最近迷走気味に思われて、心配でたまらない。
それも、迷いながら四苦八苦しているのではなく、
間違った道を邁進しているような・・・?
もちろん私だってただの素人の観客なのですから
正しいだの間違ってるだの言えた立場じゃないのですが、


そんな、海老蔵に対して感じる「?」のうちの一つは
どうして猿之助十八番をやりたがるのか?ということ。
別に、市川宗家が弟子筋にあたる澤瀉屋の芸を継承するのはおかしいとか
そんな小難しいことを言いたいわけではなくて、
ヘンだと思う理由は、ただ単に「似合わないから」。
猿之助と海老蔵では持ち味が全く違うので、
ケレン味たっぷりでスピーディーな猿之助演出のリズミカルな軽やかさと高揚感が
ほとんど表現できていないように思うのです。
百歩譲って、今年正月の『伊達の十役』は仁木弾正や細川勝元など
ニンに合う役があるから良しとしても、狐忠信は違うでしょう?
『義経千本桜』の知盛・権太・忠信の三役全てを演じるというのは

それだったら通常の音羽屋型でやったほうがずっと似合うし悪目立ちしないはず。
海老蔵が猿之助型四の切をやるようになってから、ずっと違和感を感じています。
2年前に海老蔵の猿之助型四の切を見た感想

しかし海老蔵丈は猿之助型四の切がことのほかお気に入り。

なんだかなーと思っていたところに、澤瀉屋の亀治郎が自主公演『亀治郎の会』で
四の切に挑戦というニュースが入って来ました。

亀治郎の会
市川亀治郎が個人で企画、運営する自主公演で、今年が8回め。
毎年意欲的な公演を行い評価も高く、いつも早々と完売してしまいます。
個人の会で国立大劇場での6回公演を満席にするというのはたいしたものです。
私はチケット争奪戦に乗り遅れてしまって通常公演は買えなかったのですが、
何とかイープラス特別公演の席を確保。
今年の『亀治郎の会』は『義経千本桜』と『上州土産百両首』の二演目ですが
イープラス公演は『義経千本桜』と亀治郎のトーク。
ちょっと残念ですが、「四の切」が見られれば良しとしましょう。


というわけで、20日に亀治郎の会、24日に演舞場花形公演第一部を見て来ました。
亀治郎と海老蔵の猿之助型四の切を両方見た感想は、
やっぱりこれは亀治郎がやるべきでしょう。
上手下手とか、好き嫌いとか、そんなことじゃなくて、似合うんだから仕方ない。

亀治郎の会の『義経千本桜』は「吉野山」と「四の切」。
自主公演ですがとても豪華な配役で、
静に芝雀、義経に染五郎、駿河次郎に門之助、亀井六郎に亀鶴。
そして、吉野山の清元に延寿太夫、四の切の竹本に葵太夫!
芝雀がとても可愛らしくて優雅で素敵な静御前でした。
吉野山は義太夫が入らないオール清元。戦物語まで清元というのはちょっと新鮮。
そして四の切の狐忠信。
動きは軽やかだし、ケレンに嫌味がないし、台詞回しも滑らか。
女形にも慣れているから、裏声の使い方が上手で狐言葉もとても自然。
見ていて違和感がないので、狐忠信の親を慕う気持ちがスッと自然に心に響きました。
初役ですからまだちょっとスムーズでないところもありましたが、
回を重ねればもっと素晴らしくなるはず。
本当に、伯父さんの猿之助の舞台を彷彿とさせる出来。
昔、猿之助が亀治郎のことを「あの人は私の夢です」と言っていました。
いろいろあってちょっと疎遠になっていたようで心配だったのですが
しっかりと芸を受け継いでいる姿を見て、本当に良かったと思います。
亀治郎の狐忠信、できれば本公演で見たいのですが、実現する日は来るでしょうか・・・?


対する新橋演舞場花形歌舞伎の第一部。
『義経千本桜』より忠信篇。「鳥居前」「吉野山」「四の切」。
忠信はもちろん海老蔵、静は七之助、義経は勘太郎。
忠信は出てくるたびにホントに同一人物?って思っちゃうくらい衣装や化粧が変わるのですが
海老蔵には鳥居前の荒事バリバリの忠信が一番良く似合うと思います。
ところで、鳥居前の忠信と道成寺の押戻し、同じ鬘よね?(笑)
「吉野山」はいつもの清元と義太夫の掛け合い、ただしちょっと短縮してあったようで
聞きなれているものとは違いました。
今月は義太夫版、清元版、掛け合い版と、いろんな「道行初音鼓」を聞いたなぁ。
なかなか珍しい経験です。
さて、「四の切」。
やっぱりいつも違和感を感じているうえに、直前に亀治郎を見てしまったので
「うーん・・・」と言う感じ。
だまされたと思って一度音羽屋型やってみようよ・・・









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Last updated  Aug 31, 2010 09:12:32 PM コメント(4) | コメントを書く


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