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2007.09.20
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カテゴリ: Premier League
「チェルシーとジョゼ・モウリーニョは本日、双方合意の下、契約を解消した」

そして分からない。その理由が。


2010年までの契約を残していた両者の関係が、なぜこの時期に解消されることになったのか。詳細は明らかにされておらず、周囲では様々な憶測が流れている。モウリーニョが辞任した、クラブから解任された、モウリーニョとアブラモビッチとの確執が原因では、ここ数試合の成績不振が理由だ、等々。


2004年7月、ポルトをチャンピオンズリーグ優勝に導いた手腕を買い、三顧の礼でチェルシーに迎え入れられたのがモウリーニョだった。潤沢な資金を活かし欲しい選手を獲得し続けたモウリーニョはリーグ2連覇など計5つのタイトルをクラブにもたらした。だがクラブが、そしてアブラモビッチがモウリーニョを招聘した理由はそれらのタイトルを獲得するためではなかった。本当に欲していたのはチャンピオンズリーグのタイトルだった。しかし2度の準決勝進出も、いずれもリバプールの前に屈する形で悲願は叶わなかった。

アブラモビッチがチェルシーを買収した理由の1つに、クラブがチャンピオンズリーグの出場権を得ていたことがある。つまり裏を返せば、時間をかけてチームを作り上げて狙うのではなく、最短距離ですぐにでも欲しいタイトルがチャンピオンズリーグだったのである。そのためにモウリーニョを招聘し、選手獲得の要望も全て聞き、大金を投入したのである。だがいくら待ってもタイトルを獲得できないことに業を煮やしたアブラモビッチは、これまでの方針を修正・変更していく。

まずはこれまで全ての要望を聞いていたモウリーニョの構想に口を挟むようになった。そしてモウリーニョ1人に任せていた選手選考も、トットナムからアネルセンを引き抜きモウリーニョとの共同作業にさせた。若手の発掘に長けたアネルセンの存在はモウリーニョにとって喜ばしいことでは当然なかった。またアブラモビッチがアネルセンを高く評価していることも輪をかけた。

シェフチェンコの獲得もその1つで、モウリーニョはシェフチェンコを選手としては認めながらも、チェルシーというチームには不要と考えていた。だがアブラモビッチが強く獲得を望み、思い通りに獲得できた。フロントは必要だと考え60億円以上の移籍金を投入し、現場は不要だと訴え続けた。これでシェフチェンコが能力どおりの活躍を見せていればそうでもなかったのだろうが、いざピッチに立った彼はチームに全くフィットしていなかったばかりか、怪我も悩まされ試合に出ることすら出来ないことの方が多かった。


今年1月、地元ロシアのメディアによるインタビューにアブラモビッチは「今後は若手を育てていく。補強に金はかけない」とコメント。冬の移籍市場では、ディフェンスの獲得を要望したモウリーニョの話を全く聞かなかった。結局その後ディフェンス陣に怪我人が続出した影響もあって、2連覇中だったリーグもマンチェスター・ユナイテッドにさらわれる結果になってしまった。

今夏の移籍市場ではタイトル奪還と悲願へ向けて、ベンハイム、シドウェル、ピサロと各ラインに1人ずつ移籍金無しで獲得した。そして切り札としてリヨンからもマルダも(フロントの意向で)獲得することに成功したが、本当に欲しかったDアウベスはひと悶着あったすえ獲得に失敗した。




フロントにおける立場を失ったモウリーニョにとって、信頼できるのは選手達だけになってしまった。彼らの関係は固い絆で結ばれており、監督解任の噂が出るたびに選手は必ず擁護の立場を取り、選手批判の記事が出れば真っ先に反論し選手の盾になったのがモウリーニョだった。

迎えた新シーズン、2連勝とまずまずのスタートだったがリバプール戦は疑惑のPKで辛くも引き分け、ポーツマスには勝ったものの続くアストンビラには0対2で敗れ、ブラックバーン戦はスコアレスドロー。アブラモビッチは毎試合欠かさずスタジアムに観戦に訪れているが、カメラに抜かれたときは必ず前を向いていた。だがアストンビラ戦の後半途中、10秒ほどうつむいたまま顔を上げない姿がカメラに撮られていた。そしてロスタイムに2点目を決められると、すぐに立ち上がり試合終了を待たず出口に向かっていた。思えばあのとき、アブラモビッチの中で何らかの決断が出ていたのかもしれない。

モウリーニョがチェルシーを率いた最後の試合は、アブラモビッチの悲願でもあるチャンピオンズリーグの初戦、アウェイのローゼンボリ戦だった。先制されながら追いつき何とか勝点1を獲得した、チェルシーにしてみれば勝点2を失った試合後のモウリーニョは珍しくチームへの不満を爆発させた。

 それに失点時のセットプレーの守備も最悪だ。
 私の描くチェルシー像は攻撃的で、試合をコントロールしているチームだ。
 こんな結果、嬉しくともなんともない」

もしかしたらこの時、モウリーニョは選手に対しても信頼を失い、味方がいなくなったと思い込んだのではないだろうか。


モウリーニョが就任してから退団までを振り返っても、理由は分からない。辞任のきっかけのような出来事もあれば、退団のそれもある。だが時期に関して言えば、ここ3試合程度の内容が大きく影響しているだろう。ドログバやランパード不在の影響こそあれ、3試合で得点1ではモウリーニョが怒るのも無理はない。

さてモウリーニョの後継者は誰なのか。噂ではカペッロ、リッピ、ヒディングといった名前が挙がっている。どの名前もありそうでなさそうな気もするが、モウリーニョの後だけにそう簡単に決まるものでもないだろう。

退団理由は何なのか、次期監督は誰なのか、分からないことだらけだが、時間は止まってはくれない。すぐに次の試合がやってくる。次の相手はマンチェスター・ユナイテッド。場所は“夢の劇場”オールド・トラフォードである。



ほな、また。





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Last updated  2007.09.20 21:24:19
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