通り過ぎた日の出来事が
一枚の絵のように
私の心の中に刻み込まれて行く。
グレーがかった空も
キャンバスに描かれた黒い線も
原色のスカートの色も
そしてきみの後ろ姿も
ナイフですり込むように
色を重ねるように
深く
重く
そしていつか
私はふ厚い本のページをめくるように
一枚
また一枚と
思い出を振り返ることができる。
油の匂いのとんだインクでさえも
見るだけで思い出がよみがえる。
感覚も
その質感も失せることなく。
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