買ったばかりの鋸はまるで拳銃のような鞘に納まった、
私の手にはおえなさそうなものだった。
それでも片手で持ってみると、思ったほどは重くない。
試し切りがしてみたくなった。
ベランダに出て、古くなって捨てようと思っていた木箱に
ギザギザの歯を当ててみる。
軽く引いてみたが、歯がひっかかってうまく引けない。
角度を変えてなんどか引いた。
木片が飛び散り、切り口はがさがさとささくれ立ってしまった。
この切り口じゃ、美しくないな・・・
そう思いながら何度か引いていると、2センチほどの木に
のこぎりの歯が食い込んで、肌色のおが屑が飛び散った。
カチッと音がして、なにか硬いものに当たった感じがしたが、
私が気にすることなく、のこぎりを引き続けた。
最後のひと引きをすると、木片は命を失った生き物のように
ベランダのタイルの上に転がった。
生まれたばかりの生き物のような肌色の切り口をよく見ると、
古釘も木片と一緒にきれいな断面を見せていた。
よく切れる鋸でよかった・・・
これならなんでも切れそうだ。
飛び散ったおが屑をかき集めながら、
タイルの上に横たわった鋸を見つめて少しだけ安心した。
* * *
今日はガーデニングショップに行って、土いじりするとき用に長靴(長くないけど・・・)と 新しいジョウロを買ってきました。
で、まずは、片づけから・・・いらなくなった木箱(結構大きい)を捨てるのに、父から借りたのこぎりで箱を分解してみました。
プリズムのむこう 2009.04.24
幸せな時間のすごし方 2008.04.13