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ナイキにとっては収益の出ないビジネスであっても、今年一番のヒット(エアジョーダン以来)シューズがAIR ZOOM GENERATIONである事は間違いないだろう。11月の『1st
Game』モデルで世界中をこのモデルの虜にし、12/中旬に一般モデルを大量出荷&大量販売。そろそろAZGが市場に行き渡ってきた2月、オールスターに照準を合わせ、市場促進効果のある限定モデルをナイキはリリースする。
まず、多くの誤解から訂正する必要がある。インターネットは便利である一方、多くのミスリーディングな情報の氾濫により、多くの人が誤った情報を信じてしまうという弊害がある。その一例が、このモデルにつけられた名前だろう。
多くの人が、この2色を「オールスターモデル」と思い込んでいる節がある。しかし、それは間違った認識だ。ここまで一般化した誤解には、このモデルが発売された時期や、レブロンが正式にオールスターに選ばれなかった事で実際のオールスターモデルが発売されなかった事がある。

まず、白/クリムゾンカラー。このモデルは、確かにオールスターカラーに酷似している。しかし、オールスターモデルのスウォッシュは青色で、つま先部分のメッキも青、インナーカラーにも青色が使われている。結局、レブロン・ジェームズは試合に出る事がなくなり、このモデルはオハコ入りとなってしまった。もう一つ言えば、オールスターゲーム前の2/4に発売されている時点で、オールスターモデルではない。しかし、実物が発売されておらず、結構似ているので、これをもってオールスターと思っても良いのではと思わなくもない。カラーコンビネーションも爽やかで格好良い。
次にウィート。本来のウィートの位置付けとしては、スラムダンクモデルのはずだった。ナイキとしては、ストリートデザインの非バスケットシューズをレブロンに履かせ、スラムダンクコンテストで衝撃のデビューをするという計算だったはずだ。あわよくば、仮にレブロンがスラムダンクコンテストで優勝でもしようものなら、ウィートカラーでもバスケができるんだよ!という新しい提案を投げかけ、バスケットボールシューズの可能性を探る事もできたかもしれない。

しかし、この計画も、レブロンが足首の不調を理由に、スラムダンクコンテストを辞退する事でおじゃんになる。よって、このモデルも本来のオールスターモデルではない。しかし、GotMilk?ルーキーゲームに出場するレブロンが履いた事で、ナイキとしては、オールスターリリースシリーズの一部として、このウィートカラーをオールスター的扱い商品に盛り込んだという経緯がある。
レブロンはプライドが高い。そんな彼が、実際のゲームに出場もしていないのに、オールスターモデルをナイキの言うままにリリースするわけがない。ナイキとしても、これだけの大金を積み込んだレブロンシリーズを、出てもいないオールスターゲームのシリーズをリリースする事でレブロンブランドが冗談交じりに話される事は望まないだろう。
デザインについての話に移ろう。この二足のデザインに変更はない。アッパーに使われている素材がメッシュから皮になった事位で、形状、ロゴ等そのものには変更は加えられていない。写真を見ただけだと、ウィートの格好悪さが目立つが、実物を見ると、二足とも、かなりいけているデザインだといえる。ただ、今回、印象を大きく変える事になったアッパー素材の違いが、機能性に影響がないのか?という疑問が残る。
この二つのモデルは、一見すると色の違いだけに思われがちだ。しかし、一つ気になる点がある。それはアッパー素材の変更による、吸気構造への影響だ。
AIR ZOOM GENERATIONには、スフィア-テクノロジーと名付けられたナイキ開発の新しい吸気システムが採用されている。インナーブーツ全体に丸い孔をつける事で、シューズ内をドライに保つ構造だ。ナイキが生み出した吸気とドライがキーワードのテクノロジーである。そのドライ感を究極に実現する為に、最初の2モデル(1stGameと白/黒)では、アッパーの半分に生地状のメッシュ素材を使っている。しかし、このモデルでは、メッシュ素材が天然皮で置き換えられている。この変更は、ドライ機能への影響があるのではないだろうか?




こちらのアングルから見ると、土踏まず部分のメッシュが見える。一見、ここから内部の湿気が外に逃げる構造に見えるのだが、実際に靴の内部に手を入れてみると、靴の中敷(インナーソール)がこのメッシュ部分の上まできているので、実際には見た目のような効果は得られない。
ここまできて気がついたのだが、スフィアテクノロジーとは、インナーブーツに孔を設ける事で、外部に中部の湿気を出す機能なのではなく、インナーブーツ(クッション機能を持たせる為に柔らかい)の内部に篭もる湿気を、吐き出しやすい形にしてある事を指しているのかもしれない。もしそうであれば意味が通る。外側をメッシュから皮に変更したら、空気が通りにくくなる事くらいは、ナイキデザイナーが見落とすわけがないだろう。インナーが湿っぽくなるのは、インナーサポート素材が密集しているからである。その密集状態に孔を空ける事で空気の通り道を作り、湿気が外に“出易い”構造にする事で、乾燥しやすくしているのだろう。そう考えると、説明がつく。
よって、今回、アッパーの素材が皮に変わった事でも、吸気が悪くなるわけではないといえる。だが、それがスフィアテクノロジーだとしたら、機能が発揮されるのは、シューズを脱いだ時に限定されるという悲しい発見があるのも確かだ。(部室に置いたバッシュにカビが生える事がよくあるが、この機能で、少しは改善するのではないだろうか?)
追加情報として、メッシュから皮に素材が変わった事で、重さへの影響が心配されるが、430-440gと、最初の2モデルと重さは変わらない。(ウィートモデルでバスケをする気にはなれないが、機能的にはバスケットボールに利用しても良いという事です。かなり目立ちますが)

微妙に『ハの字』を描いているのが分かるだろうか?この写真の場合、クリムゾンのほうが大きく傾いているのに気付くはずだ。もう少し分かりやすいように、靴を逆にして写真を撮影した。

結構な角度がついている。最初は、こんな傾いていたら足をいためてしまうと思ったものだが、人間の走り方をイメージすれば、この形が理想的な事が分かる。上手く言えるか分からないが、試してみようと思う。
安定感とフロアへ力を伝えやすくする為の人間工学上の作り
人が走るとき、足の動きは体に対して垂直に上下するのではない。実際に腿上げをするとシミュレーションできるが、人が走る時の足の運きは、体に対して(頭から地面に引いた垂直線)、外側に向けて約30度ほど開いた方向に力をかけている。その角度を考慮すると、AIR ZOOM GENERATIONのような靴の傾きが必要になる。この傾きがある事で、走る際の地面とアウターソールとの接地の瞬間に、完全な平行線が描かれる。この事を実現する為に、シューズ設計に傾きが必要なのだ。
この2モデルにも、前作同様にカーボンファイバー素材がアウターソールに埋め込まれている。前の2モデルでは、その形を見ることはなかったのだが、今回のモデルで、どのような形の素材がどの部分に埋め込まれているかが分かるようになっている。

クリムゾンの場合は、白色の非透明素材が合うとソールに使われているので、カーボンの一部しか見ることはできない。

ウィートのアウトソールには、透明の素材が使われているため、埋め込まれているカーボン素材の形、大きさ、場所がわかる。この写真を見ると、ファイバー素材は足の真中で終わっており、かかと部分には入っていない事が分かる。カーボンファイバー素材の役目は、ショックを分散する機能にある。その素材が、一番ショック吸収を必要としているかかと部分にないのは疑問が残る所だろう。一つ考えられるのは、レブロンもそうだが、AIRZOOM GENERATIONを履く事を想定されているプレーヤーのポジションが、踵のクッションを酷使するゴール下の選手ではなく、3ポイントラインの外の選手だからなのかもしれない。
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