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朝、集合場所までしょうやんを見送り、家に帰って玄関を見ると…
しょうやんの「リコーダー」がポツリ。
何で~!!何で、お留守番してるのさぁ!!!
とりあえず、リコーダーを持って追いかけよう!
再び今来た道を逆戻り。
しょうやんは、朝の登校メンバーを変えてから、これまでよりも20分は早く家を出ているので、途中にしょうやんの同級生に遭遇したら、バトンタッチ♪と軽く思っていたのだが…。追い越す子どもたちの名札を見るがこんな時に限って同級生がいないのだ。
今月、学校行事で音楽発表会があり、朝の会と帰りの会で、音楽発表会の時に演奏する曲を練習しているのだ。しかも、今日の1時間目は音楽。リコーダーが無くては困るに違いない…。自然と早歩きから、小走りへと変わり、本物のリレー選手のように、リコーダーをバトンのように握りしめて、小走りで登校途中の生徒らを抜き去るのだった。それも今日に限って派手な赤いパーカーを着ているので、目立たないわけがない…。が、本人は必死なので、そんなことを判断する余裕さえないのだった。
学校に到着し、事務室に忘れ物の届けに来た旨を伝えると、まだ始業前なので、直接教室に届けてくださいと、来賓名簿に名前を記入させられ、来賓用の名札を受け取る。そして、しょうやんのいる教室へと向かうのだが、やはり目立つのである。みんなお利口さんに挨拶をしてくれるので余計に恥ずかしい…もっと地味な服着ていれば良かったとつくづく後悔してしまう。ただ救いだったのは、寝ぐせはしっかりと直して、薄化粧をしていたことだ。でも、きっと、しょうやん、嫌がるだろうなぁ…のこのこ教室に押し掛けて、「はい、忘れ物!」なんて登場してしまったら。
しょうやんの教室にたどりつき、教室の中をこっそり覗くと、すぐにしょうやんと目が合った。当然固まってしまうしょうやん。私は、リコーダーで手を振るように「忘れてるぞー」と念じるのだ。すると、すぐにお友達数人を引き連れて廊下に出てきて、恥ずかしそうにリコーダーを受け取るのだった。とりあえず、退散。お互いに気まずい空気を感じていたのだろう。後ろを振り返ることなく、一目散にその場から離れたのだ。
そしてホッとして、校門を出るのだが、すぐに後悔をした。また余計なことを…、また親バカなことをやってしまったと!忘れ物をすると、どんなに困るのか身を持って体験する良い機会だったのに、なんて愚かなことをしてしまったのだろう…。家に着くまでの間、ずっと自分を罵るのだった。そして、どっと疲れるのだった。
学校から帰ってたしょうやんは、真っ先に
「リコーダー、ありがとう」と礼を言ってきた。今日、1人だけ、リコーダーを忘れて来たお友達がいたらしい。しょうやんは、その子のことがずっと気になって見ていたと言う。朝の会も帰りの会も、音楽の時間もずっと見学で、とてもしょんぼりしているように見えたらしい…。
リコーダーを届けた時に一緒に廊下に出てきたお友達は、しょうやんに
「へぇー、しょうやんのお母さんってあんななんだ♪」と言っていたらしい。
「あんなって、どんななの?」と聞くと
「知らないさ、あんなは、あんななのさ」と答えるしょうやん。
最後に地雷を落として、そろばん教室に逃げてしまった…。
もう2度と忘れ物を届けないぞ! と誓う母である。

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