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私がこの病気になってから、気を付けていることといえば、風邪を轢かないこと。
免疫力の低下で、風邪を轢きやすく、一度轢いてしまったら長引いて、時に肺炎を引き起こす可能性が高いからだ。
発病後、初めての冬は特に神経質になり、しょうやんにも厳しく指導してしまった。
外から帰ったら、手洗いうがいをすぐにさせ、咳やくしゃみをするときは、人のいない方に向いて、手を口にあてるなどをお願いした。また、少しでも具合が悪いときは早めに知らせて欲しいなどと言っていた。まるで風邪を轢いてしまうのは、大きな罪のように感じさせていたのかもしれない。自分でも風邪を轢いてしまうとどうなってしまうのか、未知の世界だったのでその緊迫した状況が続いていた。
だか実際に生活をしてみて、そんなに容易く風邪を轢かないこと、けっこう図太く丈夫であることなどに気付き、警戒態勢もいつのまにか穏やかな物になるのだが…。
それでも、私のとった行動は、しょうやんにかなりのダメージとプレッシャーを与えてしまったのだろう。もし、自分が風邪を轢いてしまって私にうつして肺炎になってしまったら、また入院し、最悪の事も考えたのだろう。それなのに私は自分の事ばかり考えて、しょうやんがあれ?ちょと変だぞと思うと、即マスクをしてあまり近寄らないでねなんて言っていたから最悪だ。
そしていつしか、しょうやん、器用な咳の仕方をマスターしてしまうのだ。口を閉じたまま、咳をするのだ。私も真似をしてやってみるのだが、なんだか不完全燃焼…っていう感じでどうもすっきりしない。本人にも普通に咳をしても構わないんだよと言っても、もうこれが普通の咳の仕方になってしまったからしょうがないよと苦笑い。見ていて申し訳なくなってしまう。
昨日の深夜、しょうやんが咳き込んだ。ヨダレがへんな所に入ってしまった様子だ。かなり咳は続くのだが…やはり口を閉じたまま咳をしているのだ。寝ている状態にもかかわらず、そんな不自然な咳をしているのを見て、しょうやんの気遣いがとても愛しく思えた。と同時に自分が情けなく思えた。
病気は自分で防衛しなくてはならない。自分が努力、けっして人のせいにしてはならない。強要してもならないのだと、ちいさな息子、しょうやんを見てそう思うのだった。
