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今、しょうやんは、そろばん教室にいる。
今日は8級の検定試験があるそうだ。
出かける時間のちょっと前に、しょうやんの爪をチェックしたら結構伸びていたので
「こんな爪で、試験に臨んでは駄目さ」 と言って、爪を切ってあげた。
短くなった爪の間が黒く汚れていて、大慌てで爪ブラシをしに洗面所に向かうしょうやん。
爪ブラシにしては随分時間がかかるなぁと思い、様子を見に行くと
口の中をまっかっかにして歯磨きをしていた
普段はあまり使わない、歯垢が見える赤い液状タイプの歯磨きで、丹念にブラッシングしているのだ。それもスッポンポンで!
手が綺麗になったので、歯も綺麗にしていたら、汗を掻いたので、服も着替えようと思ったらしい。
ブラッシングをしているしょうやんから、服の注文が
「数字が書いてあるTシャツあるよね 今日の試験には数字が書いてある服を着たほうが縁起いいから」
「そうだね、そうしよう」
洗い立てのパンツ、肌着、靴下、Tシャツ、ズボンの用意が終わる頃、しょうやんお出まし。
パンツに肌着、靴下といつものように身支度をはじめるのだが、Tシャツを見て大騒ぎ
「くっそ~、あと10少なかったら59で合~格(ごう5かく9)だったのに、なんだかかえって縁起がわるいさ」と変な親父ギャグを言うのである。
お調子者の私も負けずに
「69も悪くないさぁ~。無理なくクリアーさ。(6無りなく9クリアー)」
「ふ~ん、だったらこれでよし」
しょうやん、納得してTシャツを着るのだが、ふとその瞬間次の言葉が私の心の中によぎるのだった。
「ろくでなし…」(ろ6く9でなし)
鼻歌を歌っているしょうやんを尻目に、自分の支度に取り掛かっていると…
「げぇ~、今度こそ縁起が悪いさ」とうるさいのだ。
「今度は何さ」
「ほらほら、ここ、ここ」と学校の書道の時間に墨をこぼして出来た染みを指差して大騒ぎ。
爪切から、なんだか厄介になってきたぞ
外に3枚しょうやんのズボンが干してあり、あとひとつは今まで履いていたズボン…そして目の前の墨付きズボン…視線をベランダ、洗面所、手元と送っているうちに
墨付きズボン???
「しょうやん、そのズボン、すごく縁起がいいさぁ。昔の言葉で『お墨付き』というのがあってね、それは合格間違いなしという太鼓判のようなものなんだよ」
「へぇ~、それはいいねぇ~ で、太鼓判って何さ」
「…。太鼓判はね、太鼓判さ。それより急がないと」
「やべぇ~」
しょうやん、あわててズボンを履き、私の手を引くように家を出て…。
今日は15:00~18:10まで「そろばん」をすると張り切っていた。
今夜はしょうやんの好きなカツ丼作ろうね
