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2010/01/30
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 「不完全なふたり」の諏訪敦彦(すわ・のぶひろ)監督とフランスの名優イポリット・ジラルドさんの共同監督で、日仏のスタッフが製作した「ユキとニナ」が23日から、恵比寿ガーデンシネマ(東京都渋谷区)などで全国で順次公開されている。両親の離婚で揺れる9歳の少女の心の内と成長を繊細に描き出し、09年の仏カンヌ国際映画祭で絶賛を浴びた。2人は、オムニバス映画「パリ、ジュテーム」の諏訪監督の作品にジラルドさんが出演して以来親交を深めてきた。父親役で出演もしたジラルド監督は「自分の子供時代をもう一度探索したくなった」といい、諏訪監督は「子供たちとの共同作業だった。思ってもみない作品に仕上がった」と語った。【上村恭子/フリーライター】



 ◇子どもの視点で描くことを心がけた



 ユキ(ノエ・サンピさん)とニナ(アリエル・ムーテルさん)は、パリに住む9歳の少女。フランス人の父と日本人の母を持つユキと、母と2人暮らしのニナ。夏休み前、ユキの両親が離婚することになった。離婚が決まれば母と日本に移り住むことになるユキは、ニナと一緒にある行動を起こすことに……。



 映画の最大の魅力は、主人公ユキ役のノエさんの存在感だ。演技経験は全くなく、今回オーディションで選ばれたという。役柄と同じく日仏の血を引き、「彼女は我々の視線を引く魅力があった」という諏訪監督は「感じ取ったことを消化するのに時間がかかるタイプだったが、そこが逆にユキの複雑な胸の内を表現することにつながった」と語る。



 現場で俳優との関係の中で作っていく演出方法を取る諏訪監督だが、プロでもとまどうその手法に、ノエは見事に自然体で応じたという。「キャリアのある俳優は『できない』とは絶対言わないが、ノエは『やりたくない』とはっきりと言う。こちらが演出を考え直したぐらいだった」と諏訪監督は苦笑し、せりふは決めずに少女たちの言葉を生かしながら作り上げていったが、「演技を操作しないという方法ではない」と語る。ジラルド監督も「考えた方としては、真実を引き出すこと」と説明する。役割を決めずに、毎日の撮影前に念入りに議論を交わした。2人とも子どもを持つ父親であるが、親子関係よりも子どもの視点で描くことを心がけた。



 ◇9歳のファンタジーが気付かせてくれる







 親の保護下にあった子供が、成長過程で自分にはどうにもできないことがあるのだという現実を知る。ユキの複雑な気持ちが手に取るように感じられるクライマックスの重要なシーンも、その行動はノエさんに任せたという。諏訪監督は「大人である我々の想像とは全く違う行動だったが、それが良かった。映画を独特のものにしてくれた」と満足そうだ。



 映画からは、大人にはない子供の内なる力がダイレクトに伝わってくる。諏訪監督は「子供が自分たちの世界を作り出す力は計り知れない。自分のいる世界が絶対だと思っているが、変化にも強い。子供はどこにいても自分の世界を変えていける力を持っている」と語り、ジラルド監督は「彼女たちと信頼関係ができたことで、魅力を十分に引き出せた。この映画は見た人に『子供とは何なのか』、『子供時代とは何か』に気付かせてくれるでしょう」と手応えを語っていた。



 <諏訪敦彦監督のプロフィル>



 1960年生まれ。97年「2/デュオ」で監督デビューし、ロッテルダム国際映画祭NETPAC賞を受賞。2作目「M/OTHER」(99年)でカンヌ国際映画祭国際批評家連盟賞を受賞。5作目「不完全なふたり」(05年)でロカルノ国際映画祭審査員特別賞を受賞。ヨーロッパで圧倒的な評価を誇る。08年から東京造形大の学長を務めている。



 <イポリット・ジラルド監督のプロフィル>



 1955年生まれ。俳優として73年「ジャンの妻」で映画デビュー。ジャンリュック・ゴダール監督「カルメンという名の女」(83年)、パトリス・ルコント監督「イヴォンヌの香り」(94年)、アルノー・デプレシャン監督「キングス&クイーン」(04年)、ホウ・シャオシェン監督「ホウ・シャオシェンのレッド・バルーン」(07年)など、世界の名匠の作品で活躍し続けている。本作が監督デビュー作となる。




シネマの週末・トピックス:ユキとニナ

人模様:いきなり映画主役の小学生--ノエ・サンピさん

監督やキャストのインタビューコーナー

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Last updated  2010/01/30 09:05:29 PM


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