プロローグ


夏の夜。
小さな森の中、盗賊たちが宴会をやっている。
飲んで食べて歌って踊って。どうやら大きな盗みが成功した後の祭りゴトの様だ。
「うはははは!!今日も楽勝だったぜ!!」
「ははははは!!本当な。
 ここが平和な町で良かったぜ! 警備が甘いのなんのって!!」
少し酔っているのか、浮かれているのか、陽気に話す、盗賊たち。
「見ろよこれ!  金のブレスレットだぜ!!」
「チッチッチ、甘い甘い。こっちなんかエメラルドのブレスレットだぜ!!」
お互いに、自分の盗んだモノを見せ合っては、にやにや笑っている。
その光景を、木の陰で黙視する視線があった。
「1人 2人 3人・・・・。結構賞金首がいるな。」
その男は、聞こえに様に呟いた。
すると、その男と正反対の木の陰から、一人の男が飛び出してきた。
ガサッ
「イッエ~い!!  盗賊め~っけ!!!」
その少年は、身長は小さく「みにまむ」だが、小動物のような凶暴さと可愛げがある。
「な・・・なんだぁ?  このガキィ!!」
突然の乱入者に、盗賊たちは怒った。
「いんや~、ワリィワリィ。
 一応言っとくけど、アンタらの後ろのお宝、おとなしく俺にくれねぇか?」
唐突な質問に、訳の分からないと言う顔をして、一瞬固まった盗賊達だが、すぐに持ち直し反論した。
「何訳分かんねぇ事ぬかしてんだ! このガキ!!」
「誰がやるかってんだよ!!」
まあ、当然の様には怒っているが、所詮は盗みモノ。
「んだよ・・・(怒   ガキガキ言いやがって・・・!
 仕方ねえな・・・・。」
そう言い、少年は何かを唱え始めた。
「ETRAICE!!」

ドドーン!!

突然の爆風によって、小さな森は、更に小さくなってしまった。
「危ね~危ね~。少し威力が強すぎたか。
 お宝にも一応防御魔法かけといてよかったぜ♪」
「さ、とっとと次の町に行くか。」

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