気の向くままに♪あきみさ日記

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2007.05.31
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<緊急帝王切開で出産>
35週0日。この日の朝、3日後に手術することが決まり、車椅子で公衆電話まで連れていってもらって、パートナーと実家の母とに報告した。
もうすぐ赤ちゃんに会える。この点滴生活からも解放される。目の前がぱっと明るくなったようで、ずっとウキウキした気分で過ごしていたのを覚えている。
自己血はもう何度も採取していたが、最初に200cc採取した分の使用期限が切れるため、体内に戻すことになった。このため予定していた洗髪が延期になってガッカリする。
ハリの検査はこの頃は毎日、午前と午後の2回行っていたのだが、その日の午後は、いくつもの山がゆるやかなカーブで描かれていた。
それほど大きなハリは感じていないのに…。助産師さんは何やら厳しい顔つきで記録紙をながめている。いつもならとっくにはずしている器械を、いつまで経ってもはずしてもらえない。
2度ほど助産師さんが記録紙を切って持っていき、夕方5時過ぎ頃病室に現れたY先生は、私に「今からお産にします」と告げた。
「このハリは止まらない。ウテメリンももう最大でこれ以上増やせないので、お産にします」
さあびっくり。とにかくパートナーに連絡を入れてもらう。慌しく手術準備が始まる横で、Y先生が「取れるだけ取れ」とスタッフに自己血採取を命じている。日中に戻した200ccがもったいない…。

手術なんて小学生のときの盲腸以来…。そのときの麻酔のガスの臭いと、手術後の傷の痛みは忘れられない。ブルブル震えがきた。
病室を出る前に、パートナーが会社から駆けつけてきてくれた。「母さんに連絡して」と言うのが精一杯だった。
手術室に運ばれる。体の震えが止まらない。手術室のスタッフがてきぱき準備するのをバカみたいにながめていた。腕の血管はどこもボロボロで、ウテメリンの点滴は2~3度刺し直すのが常だったのに、一発で針を入れられたのにはさすがと感心する。
手術室の奥から、Y先生が歩み寄ってこられた。胸の前に布のようなものがたてかけられ、視界が遮られる。
ついに始まる。ガスを嗅がされると思ったのに、マスクはあてられない。麻酔は点滴で?腕からのびる管を目で追う。点滴の雫が何滴落ちるのか数えようとした途端、意識がなくなった。

夢の中で、赤ちゃんの産声を聞いたような気がした…らしい。今となっては覚えていないが、産後につけた日記にそう書いている。

手術室を出るのは意識が戻ってかららしい。ベッドに乗せかえられるとき、痛くて仕方なかったのを覚えている。
病室でパートナーが一生懸命、寝ている私の目の前に写真をかざした。赤ちゃんが写っている…ぼやけてよく見えない。
何か話しかけてくれるのだが、よく聞き取れない。パートナーの笑顔だけはよく見えていた。
Y先生の「もうだいじょうぶ、みんなキレイに取ったから」との言葉だけが頭に残っている。

夜中、何度も看護婦さんが、点滴の入替や血圧・体温・血中酸素測定に来られた。


<産後1日目>
朝、Y先生が病室に来られた。
三つあった大きい子宮筋腫は、すべて取ったらしい。
あとでパートナーから聞いた話では、赤ちゃんを取り上げたあと、筋腫がジャマして切開跡をうまく縫えなかったため、摘出に切り替えたとのことだった。
ガスがたまっているので頑張って動くようにと言われる。が、そんなに動けるものではない。お尻をもぞもぞ身じろぎするのが精一杯だった。


体を持ち上げるのがしんどかったが、着替えるとホッとする。
そのうちに助産師さんが、赤ちゃんを病室に連れてきてくれた。
赤くて小さい!髪の毛ふさふさ!
パジャマをはだけて、胸にじかに乗せる。抱いたというより、乗せたという感じ。
胸の上で、赤ちゃんがぺとっと丸くなる。かわいい!
お母さんだよ。分かる?お母さんだよ。よく頑張ったね。無事に産まれてくれてありがとうね。

赤ちゃんは推定体重より大きく、2500g近くあった。
とはいえ9ヶ月で産まれたため、未熟児室の保育器のなかで過ごしている。

2時過ぎに訪問客、パートナーかと思いきや両親だった。
前の晩にパートナーからTELを受けて、夜のうちに出たかったがもう特急がなく、今日出てきたのだという。
心配してくれる気持ちは有難かったけれど、早くパートナーとゆっくり話をしたかった私としては正直、何もそんなに急いで来なくてもという思いだった。
さらに、父と母がちょっとしたことで口論しだして、神経を逆なでされた格好だ。
そうこうするうちにパートナーがやって来て、未熟児室の面会時間になったので、3人で赤ちゃんに会いに行ってしまった。
戻ってしばらくすると、父が田舎に帰ると言う。パートナーが駅まで送っていった。その間、母とふたりになったが、母は自分が疲れた疲れたと訴えるのでイライラした。
道が混んでいたようで、パートナーが病室に戻ってきたのは2時間も経ってからだった。とっくに日も暮れていたので、パートナーは家に泊まる母と一緒に帰ってしまった。
パートナーとふたりでゆっくり話したかったのに。しみじみとこれまでの苦労を振り返り、赤ちゃん誕生の喜びを分かち合いたかったのに。まったく気の利かない。私はプンプンしていた。
まあ仕方がない。明日はふたりの時間を作ってもらおう。

その夜は、パートナーが聞かせてくれた話を思い出しては、くすくす笑っていた。
前夜7時半過ぎに赤ちゃんが産まれたのを聞かされたパートナー、ホッとして待つもなかなか私が出てこない。
私が病室に戻ったのは11時半頃だったらしいが、その前に、待合室のパートナーのところへY先生が近づいて来られたときのこと。
見ると、Y先生は手に、茶色の紙袋を持たれている。
なかから何か茶色い丸いものを出されたので、パートナーはてっきり、夜遅くなってお腹が空いたからアンパンを食べようとしているのだと思ったらしい。
何も自分の目の前で食べなくても、なんて思っていたら、それは摘出された筋腫だったというオチ。
ちなみに、筋腫のひとつは、中がドロドロに溶けていたらしい。それが痛みを出していたのだろうか。
私も筋腫を見たかったなあ。こんなに私と家族を苦しめた、元凶の姿を。


◇つづき





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Last updated  2008.02.05 16:48:45
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