気の向くままに♪あきみさ日記

気の向くままに♪あきみさ日記

PR

Profile

あきみさっち

あきみさっち

Calendar

Comments

じゅん♪@ Re:さんまのまつり(06/19) 「さんまのまぬけ」でいーじゃん😡😡😡😡
あきみさっち@ めろんぱんさんへ いつもありがとうございます(^^) それにし…
めろんぱん@ Re:ハンチョウ5 第2話 おはようございます。 私も今回は何と言っ…
あきみさっち@ めろんぱんさんへ こんにちは。 ハンチョウ5、始まりました…
めろんぱん@ 全く同感です。 私も仕方な~く、早送りしながら見ました(…

Freepage List

Keyword Search

▼キーワード検索

2007.06.02
XML
Misaは37週0日、正規産初日に産まれた。

女の子だと先に分かっていたため、娘が欲しくてならなかったパートナーは暦やら何やら調べて「すごく運勢のいい日だ」とか何とか喜んでいた。

その前の日から、急にお腹が重たくなったように感じていた。下腹がはちきれそうな感じ。だが、ハリはない。
Akiは早産だったので、臨月の重たさは今回初めて味わうものになる。
その日までは、本当に順調で充実したマタニティ生活を送っていた。
会社を産休で休んでからはウォーキングも欠かさず、変なハリを感じることもなく、時折感じる胎動が愛しかった。
切迫でベッドに縛り付けられていたAkiのときとはまるで違う。順調なマタニティ生活ってなんて楽しいんだろうと、幸せを堪能していた。
その日の朝は、下腹の重たさにも、赤ちゃんが下がってきたのかな、正規産に入るとやっぱり違うな、なんてのんびり構えていた。


Akiが一緒の週末はゆっくりと買い物もままならないので、ふたりで身軽なときにと、車で出かけたのだ。
店内で、便意を催した際のような下腹部痛があった。
一度トイレに行き済ませたが、まだ痛む。それで再度トイレへ。
買い物もそこそこに帰宅した後、もう一度トイレへ。それでやっと出尽くしたのか、痛みも消えた。

Akiの保育所お迎えの16時頃、痛みはないものの、立って歩くと下腹の重たい感じがしんどい。
それでパートナーにお迎えを頼み、居間のソファにしばらく横になっていた。

18時頃。お腹が少し痛み出した。昼過ぎとは違い、下腹ではなく少し上の方。キュルキュルする感じ。
ハリは感じない。規則的ではなく、ずっと痛い。でもすごく痛いわけではないので、様子を見ようと横になっていた。

18時半頃。痛みは消えず、どうにも不安になってきたので、ついに産科に電話した。
症状を訴えると、すぐに来て下さいとのこと。念のため出産の用意もしてくるように、とのことだった。
パートナーがAkiに簡単な食事を食べさせている間に、事前に準備していた入院荷物を再チェック。


パートナーが車を出してくれる。後部座席のAkiのチャイルドシートの隣に座った。
ちょうど帰宅ラッシュの時間帯で幹線道路は混んでおり、車は抜け道に入った。
痛みは少し強くなったような感じで、それが前回の切迫時に似ていた気がしたので、「この痛みはAkiの時入院した感じに似ているかも」と言いかけたとき。
赤ちゃんがぐるんと大きく動いたような感じとともに、猛烈な痛みが襲ってきた。
これまで、こんな痛みを体験したことがない。激しい、内臓がちぎれるような痛み。

一刻も早く着いてほしい。これがもし陣痛の痛みなら、私には下から産むのはムリだ、こんな痛みには耐えられない。
その間も胎動は続いていて、それがさらに痛みをあおり、「お願い、赤ちゃんじっとして、動かないで」と懇願していた。

おそらく19時頃。ようやく病院に到着し、時間外入口の前に車が停まる。
パートナーが車を降り、ドアを開けてくれたが動けない。
パートナーの報せに、職員さんが車椅子を運んできてくれる。必死の思いで車から降り、パートナーの支えにどうにかこうにか座ったものの、足を台に乗せるのも一苦労だった。

産科病棟に到着すると、担当のY先生が既に待っておられた。その顔を拝見し、ほっとする。
Akiのときも助けて頂いた先生なのだ。外来診療担当の曜日だと知っていたが、外来が終わって帰られていたらどうしようと不安だった。
柔和な笑顔で「また張ってきたんちゃうか」と言いながら、内診室のソファに寝かすよう、看護師さんや助産師さんに指示する。
「とにかく腹出して、腹」
そうしてエコーをあてた直後。
「セッテイや、セッテイ」
短く、鋭く言われた。セッテイ…ああ、帝王切開か、やっぱり。こんな痛いんだもの。
「緊急や。すぐオペ室に運んで。小児科呼んで、小児科」
看護師さんらがバタバタし出すなか、Y先生が助産師さんに「心音聞いてみ」と指示。
助産師さんが心音の器械をあてる。いつも聞き慣れていた、トクトクトクトクと早鐘のような赤ちゃんの心臓の音…
それが、聞こえなかった。
トク…トク… 雑音の合間にようやく拾われる不明瞭な音。何これ?この遅さは赤ちゃんじゃないよ。私の心音を間違って拾ってるんじゃないの?
困惑しながら見上げると、Y先生がエコーを再度腹にあてた。
画面には、赤ちゃんの心臓が、スローモーションのようにゆっくり、ほんとうに頼りなく、ゆっくりとしか動いていない。
赤ちゃんが苦しんでいる。そのとき初めて気がつき、呆然となる。
「死んでしまう…」と思わずつぶやいたら、
「大丈夫や、まだ動いとる」とY先生が力強く励まして下さった。
胎動はずっと続いていたので、まさか赤ちゃんが苦しんでいたとは思いもよらなかった。赤ちゃんは元気で、母体だけが苦しいのだと思っていた。いや、自分の痛みに耐えるのが精一杯で、赤ちゃんを思いやる余裕がなかったのだ。
だから、赤ちゃんに「動かないで」なんて呑気にお願いしていた。赤ちゃんも苦しくてあれだけ動いていたことに、まるで気付かなかった。
ごめん。産まれる前からひどい母親だね。本当にごめん。

看護師さんらが手術準備に私の服を脱がそうとすると、
「そんなんオペ室でやったらええ、とにかく運べ」とY先生がきつい口調で言われた。
そのままベッドに寝かされ、運ばれる。Akiのときよりはるかに慌しい。
オペ室に入るとすぐ、Y先生の顔が見え、
「とにかく早く寝かして、寝たらすぐ切るから」と麻酔医の先生に言っている。
手術着に着替えさせられるとき、スタッフが「切っていいですか」と言う。かぶりものの服を着ていたのだ。否も応もない。
「切って下さい。お願いします」と答える。
あっという間に手足が固定され、点滴の針が刺される。
口にマスクがあてられる。変な臭い。小学生のときに盲腸の手術で嗅いだのと同じ…あのときは臭くて顔を何度もそむけた。でもとにかく、早くこの痛みから解放されたい。全身麻酔でよかった。Akiのときの麻酔は点滴で、何滴落ちるかを数える間もなく意識がなくなったのに、今回は時間がかかる、早く眠りたい…などと考えているうちに、意識を失った。

意識が戻ったときの記憶ははっきりしない。
今いる部屋がICUだと、誰から聞いたのかも覚えていない。
Akiのときはオペ室から出るときにはもう意識が戻っていて、ベッドに移されたときにえらく痛かったのを覚えているのに。
パートナーとY先生の顔が見えて、「終わったよ」といわれた。
「赤ちゃんは?赤ちゃんは?」と何度も聞いて、「赤ちゃんもがんばってるよ」と教えられた。
生きている。でも、「無事」ではなく、「がんばってる」…。
ほっとしたのと不安とがないまざり、痛みもあって夜はほとんど眠れなかった。
Akiのときはこんなに痛くなかったのに。早く夜が明けてほしい。朝になったからって痛みがおさまるわけでもないのに、とにかく頭の上のカーテンの外が早く明るくなってほしいと、そんなことを考えていた。
赤ちゃんの写真はいつ見たのか。覚えていない。口にも鼻にも管だらけの、痛々しい姿だった。いつ会えるのだろう。がんばって。お母さんもがんばるから。


◇つづき





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

Last updated  2008.02.05 16:41:52
コメント(2) | コメントを書く


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
X

© Rakuten Group, Inc.
X
Design a Mobile Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: