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たまたま入った古本屋さんで、たまたま手に取ったマンガでした。
書店で見かけた記憶はあって、潜在意識下で気になっていたのかもしれません。
立ち読みした第1巻の1話目では、朝と槙生の関係が不明なまま、二人の生活が語られていて。
ただプロローグで、何らかの理由で槙生が朝を引き取ったんだな、ということだけが分かった状態。
しかも途中まで、槙生が男性だと思って読んでいたという💦 カバー絵も扉絵もワンピやドレス着てるのに😅
そんな理解度で眺めてたのですが、穏やかで、語り過ぎない雰囲気がすごく心地よくて。
そして、「ちがう国の女王の王座のかたすみで眠る」…ここで、心をギュッと鷲掴みにされました。
何がそんなに私の琴線に触れたのか、分かりません。
いてもたってもいられず、そこから既刊の9巻までを入手し、一気読みしてしまいました。
物語の始まりでは、朝の運命は過酷で、でもその後の展開はむしろ淡々とした日常が続きます。
時折登場人物の激情が画を彩ることがあっても、非常に抑制的で、静謐な美しさを湛えていて。
誰もがどこか欠けていて、悲しみや怒り、ないものねだり、エゴ、打算、葛藤、見栄や欲、それら生きる上で誰もが否定できない心の動きを、包み込むように語りかけてくる感じ。
極上の小説のような繊細な味わい。何気ないワンシーン、さりげないひとつひとつのセリフに泣かされます。
何だろうな。羨ましいのかな?私は。
昔、もの書きになりたいと漠然と願っていたこともあったしな。(でも自分は所詮パロディしか浮かばない人間なんだと悟ってあきらめた😅)
学生時代には、いや働き出してからも、ずっと付き合える友達は作れなかったし。人見知りの槙生でさえ、あんなに友人がいるのにな。
自分が欠点だらけの人間なのも、ごく平凡な人間なのもよく分かっている。
どんな自分であってもそっと許してくれる、読んでいてそう感じるから、こんなにも感情移入してしまうのかな。
1巻目の始まりは朝が高3の春。
9巻目は高2の夏。追いついてしまうと、この物語は幕を閉じるんだろうか。
朝の母や父の謎は、それまでに解明されるのだろうか。
もっと早くこのマンガに出逢えていたら良かったな。ゆっくり、一冊ずつ、時間をかけて読みたかった。
せめて、ゆっくり、時間をかけて読み直します。
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