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「マリヤへの御告げ」
甲斐慎一郎
ルカの福音書、1章26~38節
救い主の母に選ばれた「マリヤへの御告げ」について学んでみまし
ょう。
一、神からの使命を果たすために今の悪の世界から救い出され
たキリスト者
バプテスマのヨハネの母に選ばれたエリサベツがみごもってから、
「六か月目に、御使いガブリエルが、神から遣わされてガリラヤの
ナザレという町のひとりの処女のところに来」て、驚くべきことを
告げました(26節)。これが、「あなたはみごもって、男の子を産
みます。名をイエスとつけなさい」とマリヤに告げられた「受胎告
知」です(31節)。
マリヤが救い主の母に選ばれ、イエスを産んで育てたのは、それ
が彼女に与えられた神からの使命であったからです。
主は、「あなたがわたしに行わせるためにお与えになったわざを、
わたしは成し遂げて、地上であなたの栄光を現しました」と父なる
神に報告されました(ヨハネ17章4節)。イザヤは、「わたしの
名で呼ばれるすべての者は、わたしの栄光のために、わたしがこれ
を創造し、これを形造り、これを造った」と記しています(イザヤ
43章7節)。
私たちがこの世に生まれ、この地上に生かされているのは、神か
ら与えられた使命を果たし、この地上で神の栄光を現すためです。
私たちは、それぞれ神から与えられた使命があり、それを果たして、
地上で神の栄光を現すために「今の悪の世界から......救い出」され
たのです(ガラテヤ1章4節)。
二、神からの使命を果たすために神のことばと祝福を受ける
キリスト者
御使いガブリエルは、マリヤのところに来ると、「おめでとう、
恵まれた方」と彼女を祝福し(28節)、受胎を告知する時も、「あ
なたは神から恵みを受けたのです」と祝福のことばを語りました
(30節)。マリヤは、救い主の母になるという神から与えられた使
命を果たすために神のことばと祝福を受けました。
受胎を告知されたマリヤは、婚約者のヨセフに前代末聞の処女懐
胎を理解されず、離縁されそうになったり(マタイ1章19節)、ヘ
ロデの虐殺の手からのがれたりしています(同2章13節)。マリヤ
は、神のことばと祝福を受けなければ、とてもこのような苦難を乗
り越えることはできなかったでしょう。
そのように私たちも今の悪の世界から救い出されたのは、それぞ
れ神から与えられた使命を果たし、地上で神の栄光を現すためです
が、それは決して容易なことではなく、神のことばと祝福を受けな
ければ、とてもその使命を果たすことはできないのです。
三、神からの使命を果たすために自分自身を生きた供え物と
してささげるキリスト者
初めにガブリエルがマリヤを訪れた時、彼女は、「ひどくとまど
って......考え込」みました(29節)。しかし御使いの受胎告知を聞
いた時、そのことばを信じ、ただその方法に答えて、「聖霊があな
たの上に臨み、いと高き方の力があなたをおおいます」とその方法
を説明して、彼女の信仰を励ましました(35~37節)。
するとマリヤは、「ほんとうに、私は主のはしためです。どうぞ、
あなたのおことばどおりこの身になりますように」と言って、神に
対して身をささげて服従しました(38節)。救い主の母に選ばれた
マリヤも、初めは、ひどくとまどい、考え込みましたが、主のこと
ばを信じた時、神に身をささげて、神に従い、主のみこころを行う
人に変えられたのです。
私たちが今の悪の世界から救い出されたのは、神が私たちになさ
せようとしておられるわざを成し遂げて、地上で神の栄光を現すた
めですが、そのためには私たちの「からだ」、すなわち、その目と
耳、口と舌、手と足、いやすべてのものを「神に受け入れられる、
聖い、生きた供え物としてささげ」なければなりません(ローマ12
章1節)。このようにする時、私たちは、主のみこころを行う人に
変えられ、神から与えられた使命を果たして、地上で神の栄光を現
すことができるのです。
甲斐慎一郎の著書→ 説教集