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「これ以上、単純化できない複雑さ、その2」 2013年11月20日
インターネットのテレビ局CGNTV(Christian Global Network
Television)の番組「みことばに聞く」に当教会の牧師が出演しま
した。2013年5月31日放映「 信仰の決断
」
「これ以上、単純化できない複雑さ、その2」
甲斐慎一郎
詩篇139篇13~18節
あるシステムが単純化できない複雑なものであり、それゆえ機能
上の先行体は存在しないという結論が、完全に説得力があるものだ
と感じるためには、物理的な先行体と概念的な先行体とを区別する
必要がある。前に述べたネズミとりだけが、ネズミを生け捕りにで
きるシステムではない。わが家ではトリモチ式の罠を使っていた時
期もある。理論的には最小限、足をとられるような糊を中に塗った
箱を開いたままにしておけばいい。または単純にBB弾でネズミを
撃つこともできる。しかし標準的なネズミとりには、物理的な先行
体はない。前に挙げたようなものを一歩一歩ダーウィン流に変形し
ていっても、台、ハンマー、バネ、引き金、留め棒のついた罠にな
ることはあり得ないからだ。
3.最小の機能を持つことについて
いままで私たちは、単純化できない複雑さの問題を、一歩一歩進
む進化に対する挑戦として考察してきた。しかしダーウィンには、
もう一つ困難がある。ネズミとりを単純化できない複雑さの例と考
えた私の前述の要素リストは、実際にはあまりに寛大なものである。
標準的な五つの構成要素には、ほとんどどんな工夫を加えても、や
はり機能しなくなるはずだ。たとえば土台が紙で作られていれば、
罠は、ばらばらにこわれるだろうし、ハンマーが重すぎたら、バネ
をこわしてしまう。バネかゆるすぎれば、ハンマーを動かさないだ
ろうし、留め棒が短すぎれば引き金に届かない。引き金が大きすぎ
たら、ちょうどいいタイミングではずれないだろう。ネズミとりの
構成要素の単純なリストは必要だが、機能するネズミとりを作るに
は、それで十分ではないのだ。
自然選択の候補者になるためには、システムは、最小の機能を持
たなければならない。最小の機能とは、自然法則に従った現実的な
条件の下で、ある仕事を成し遂げる能力である。不適切な素材で作
られたネズミとりは、最小機能という評価基準を満たさないはずで
ある」(『ダーウィンのブラックボックス』68~70、72頁)。
二、ネズミとりよりも遥かに複雑な「自律神経」によって動
く人間の内臓
聖書は、人間を「霊、たましい、からだ」という三つの要素から
成り立っていると教えています(第一テサロニケ5章23、24節)。
「たましい」は、「からだ」を支配していますが、「たましい」
には、意志の力によってからだを動かす「知覚と運動の神経系」と
意志の力の及ばない「自律神経系(交感神経と副交感神経)」の二
つがあり、「からだ」は、この両者によって動いています。
人間の内臓は、意志の力の及ばない「自律神経系(交感神経と副
交感神経)」によって自動的に働いています。もし内臓を意志の力
によってからだを動かす「知覚と運動の神経系」によって働かすと
したら、どうなるでしょうか。四六時中、意志を働かせて、心臓、
肺臓、胃、十二指腸、小腸、大腸、肝臓、膵臓、腎臓など、すべて
の内臓を動かさなければならず、仕事や勉強をするどころか、睡眠
をとることも休むこともできません。たとえば胃や小腸を動かすた
めに、心臓を動かすことを忘れれば、心臓は止まって、死んでしま
います。心臓を動かしていても、肺臓を動かすことを忘れれば、呼
吸が止まり、死んでしまいます。すべての臓器を意志の力ではなく、
自動的に、しかもからだの状況を見て、適切に動かすということは、
どんなに複雑で、高度な知恵や力が必要でしょうか。
人間は、すべての内臓が少しの欠けもなく、しかも機能不全を陥
らずに完全に働いていなければ、生きることはできません。ダーウ
ィンは、少しずつ少しずつ、何万年もかけて進化していったと言っ
ていますが、内臓が少しずつ進化していったならば、まだ完成して
いない時は、内臓は不完全で、機能していないことになり、生きて
いくことはできません。人間が生きていくためには、すべての内臓
が少しの欠けもなく、しかも機能不全に陥らずに、さらに自律神経
によって自動的に完全に働いていなければなりません。進化の途上
では、そのようなことはあり得ませんから、人は、生きいてくこと
はできません。進化の途上では、最小の機能さえ持つことはできな
いのです。
一家に1枚ヒトゲノムマップ(A3判対応版)(PDF 4.0MB)
次回は11月27日(水)「裸の起源に見る進化論の誤り、その1」です。
甲斐慎一郎の著書 → 説教集