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「苦難の意味するもの(1)」 2014年3月13日
インターネットのテレビ局CGNTV(Christian Global Network
Television)の番組「みことばに聞く」に当教会の牧師が出演しま
した。2012年11月23日放映 「神の悩みと人の悩み」
「苦難の意味するもの(1)」
甲斐慎一郎 ヨブ記1~42章
不朽の大作「レ・ミゼラブル(ああ無情)」を著したフランスの
文豪ビクトル・ユーゴーは、「ヨブ記は、恐らく人類の心の所産の
最大傑作である」(ヘンリー・H・ハーレイ『聖書ハンドブック』
220頁)と言いました。ヨブの受けた言語に絶する苦しみは、私
たちに何を教えているのでしょうか。
一、大きな苦しみを受けたヨブ(1、2章)
神は、ヨブに五つの苦難が来ることを許されましたが、これは苦
難の程度の軽いものから重いものに至るまで五つの段階を教えてい
るのではないでしょうか。
1.息子の行状を心配する心の苦しみです。具体的には何も失って
いません(1章5節)。
2.財産が失われる苦しみです(1章13~17節)。これには心の苦
しみも伴います。
3.愛する七人の息子と三人の娘が失われる苦しみです(1章13~
19節)。
この苦しみは想像を絶するものです。しかしヨブは、「主の御名
はほむべきかな」と神を賛美しています(1章21節)。
4.自分の健康が失われる苦しみです(2章7節)。重い病ほどそ
の心の苦しみは増すでしょう。しかしこの時ヨブは、「神から......
わざわいをも受けなければならない」と言って神の摂理に従ってい
ます(2章10節)。
5.言語に絶する苦しみを受けながら、同情もされず、友から激し
い非難を浴び、人間の尊厳を損なわれた苦しみです(4~25章)。
二、神のお取扱いを受けたヨブ(3~41章)
ヨブの三人の友は、ヨブを慰めに来ましたが、彼のことばを聞い
ているうちに「ヨブがこのような大きな苦難に会ったのは、大きな
罪を犯したからである」と異口同音に彼を非難しました。しかしヨ
ブは「潔白で正しく、神を恐れ、悪から遠ざかっていた」人ですか
ら(1章1節)、この非難は全く的外れです。ヨブは自分の無実を
述べる時、三人の友よりも知識と経験と能力において優っていると
言っただけでなく、自分の正しさを主張するあまり、神を非難して
しまいました(40章8節)。そのような時、神はヨブに三つの質
問をされました(38~41章)。
◇あなたは......(を)知っているか。ヨブの知識を問う質問です
(5回)。
◇あなたは......(した)ことがあるのか。ヨブの経験を問う質問で
す(9回)。
◇あなたは......(する)ことができるか。ヨブの能力を問う質問で
す(25回)。
神がヨブに浴びせた矢継ぎ早の質問には、さすがのヨブも自分の
無知と無経験と無能力を認めざるを得ませんでした。
三 神の祝福を受けたヨブ(42章)
神のねんごろなお取扱いを受けたヨブは、「あなたには、すべて
ができること、あなたは、どんな計画も成し遂げられることを、私
は知りました」(1節)と、改めて神の全知全能を心から認め、
「私はあなたのうわさを耳で聞いていました。しかし、今、この目
であなたを見ました」(5節)と、新しい神経験をしました。それ
でヨブは「自分をさげすみ、ちりと灰の中で悔い」改めました(6
節)。ヨブが三人の友のために祈った時、主はヨブを元どおりにし、
さらにヨブの所有物をすべて二倍に増し、息子七人と娘三人を与え
られました(10、13節)。こうしてヨブは神からあふれるばかりの
祝福を受けたのです。
「あなたが苦しみに会っても落胆しない......一つの秘訣がありま
す。それは永遠に神を疑わないことです。ただ、あなたが神をとら
えていれば、すべてを失ったとしても、実際は何も失っていないの
です。というのは、あなたに神がついていてくだされば、すべての
ものがあるということなのです。神はあなたが失ったすべてのもの
を倍にして返そうとしておられます。一番恐るべきことは、すべて
のものを持っていて、神をとらえていないことです。神がいないな
ら、あなたの持つすべてのものも零に等しいのです
」(テモテ・ザ
オ『わざわいをも』21頁)。
拙著「聖書の中心的な教え」の41「 苦難の意味するもの(1)」より転載
次回は2014年3月20日「苦難の意味するもの(2)」です。
甲斐慎一郎の著書 → 説教集