ユーカリの木陰で里の行

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2008.09.16
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カテゴリ: スピリチュアル


サイキック・リーディングに行ってきた。

友達がかなり興奮して自分の体験を話してくれたんだ。
なんでも彼女が質問を始める前に、
ミディアムさんの方から聞かれたそうだ。
「で、あの件についてはどうなったの?」

それこそまさに彼女が聞きたかった問題だったので、
驚きのあまり、どうしてわかったのか、と尋ねたところ、
ミディアムさんは彼女の傍らを見ながら言った。
「あなたのお祖母ちゃんが、そこに来ているから」

そうして何か答えに詰まるたび、
「ほ~ら、グラン・マア、あなたの孫が知りたがっているのよ。
もっと私たちを助けてちょうだい! ほらほ~ら」などと
カモン、カモ~ンとでもいうように、両手をひらひらさせていたそうな。

友達の話では、そのミディアムさんは、
あの世にわたった霊と交信しつつ、霊視をするという。
友人は話し終えた後に言った。
「あなたも興味があると思うんだけど」

そう言われると、行きたくなるのが人情である。
それから二週間後には、私は件のミディアムさんの家を訪ねていた。

通されたのは、薄暗い部屋だった。
部屋のそこかしこに、クリスタルとか、
ネイティヴ・インディアンの絵とか、
ニューエイジグッズみたいなものが飾られていて、
なにやら妙におどろおどろしい。
真ん中に、大きな古い机。
なにか異次元にでも投げだされたかのような奇妙な空気が漂っている。

私の前に座ったのは、50代くらいだろうか、
グレーの長い髪を無造作に垂らした、痩せた女性だった。
このおどろおどろしい空間の中では、
なんだか童話に出てくる魔法使いのおばあさんみたいだ。
今にも水晶玉に両手をかざして、
蝋燭の炎の下でタロットカードでも始めそうな雰囲気である。

だが口を開くや、とにかく早口で、声がでかかった。
「で、コーヒー、紅茶?
ミルクと砂糖は? 入れる? 入れない?
で、あれは、誰だったの?」

矢継ぎ早に質問を発するその迫力たるや、
これから神秘のリーディングが始まるというよりも、
なんだか号令がかけられ、起立して
そのまま行進でもさせられそうな勢いである。

「え、誰って…?」
私は混乱しつつ、差し出されたコーヒーを一口、とりあえず啜った。

「あなたが2、3歳のとき、足元に立って、
あなたをひどく怖がらせた、あの存在よ。
あなたは子どものころ、見えない存在をよく見ていたわね。
で、そのときあなたを怖がらせたのは
誰だったのかって、聞いているの」

誰だったの?と言われても…
一般に、人は2、3歳のころの記憶はあまりもたないもので…。
言葉に窮していると、彼女は私の霊能力について話し始めた。
私にはその力があるから、使うべきだ、と。

それから彼女は、わたしがもってきた写真をみながら霊視を始めた。

私は日本にいる祖母と母のことを心配していたのだが、
彼女によれば、祖母は一年以内に逝くだろうけれども、
母の方は心配ない、という。
首の痛みも、祖母と関係のあることだから、
祖母が逝った後はすう~っと消えてしまうだろう、と。

「あんたのお母さんとお祖母さんは、何度も転生を繰り返す、
すごく近い魂だからね。
お母さんは、お祖母さんを守るために今回
生まれてきたと言ってもいいくらいだよ。
けどお母さんの方は大丈夫。彼女はまだまだ長生きするね。
百歳はいけるんじゃないの」
そう言って、ミディアムさんは豪快に笑った。

確かに、祖母は母の母である。
そうして昔、母が私に言ったことがあった。
自分は幼いころから、姉が二人いたにもかかわらず、
母のことは何があっても自分が一生面倒を見てあげなくてはならない、と、
なぜか強く思っていた、と。

それから、ダディンの写真を前にミディアムさんは言った。
「彼のお父さんは、三年前に亡くなっているね。
写真はあるかい?
ああ、ないのかい。
でも今日、あんたと一緒にやってきたのは、この人だね」

え、ウィル(仮名)が!?
なんとなく感極まりそうな私にミディアムさんは聞いてきた。

「彼が、自分の腕時計がどうなったかって聞いているけど」
「え、腕時計…?」
「そう、腕時計。
それをあんたの夫がちゃんと受け取ったかを知りたがっているんだよ」

時計については、義父がそれほど大切にしていた時計があったか、
私にはわからなかったので、後で夫に確認する、と答えた。

それからミディアムさんは義父からのメッセージを伝えてくれた。
内容は、ダディンと私を愛している、とか。
孫たちをいつも見守っている、とか。
時々私たちの家に様子を見に遊びに行っている、とか、そんなことだった。

「キッチンで煙草の臭いがしたら、
それは自分がきたサインだと思ってくれって、言っているよ」
「え? 煙草…。義父は、確か煙草は吸わなかった、と…」
「もう何年も前に健康のために止めたのを、また吸い始めたんだってさ。
もう死ぬことはないからって。
この人のジョークはつまらなくって、おっかしいねぇ」
と、ミディアムさんはまたもや豪快に笑うのであった。

家に帰ってから、ミディアムさんから言われたことを
ダディンにいくつか確認してみた。
たとえば私は、義父が煙草を吸っていたとは知らなかったのだけれども、
確かに昔は吸っていたそうだ。
それを健康のために止めた、という。

だが反面、たとえば彼女が言っていた腕時計のことは、
ダディンにも何のことだか、さっぱりわからなかった。
というのも、現役時代早起きしなければならなかった義父は、
引退してからすっかり時計嫌いになって、腕時計をもつのを止め、
十年以上も時計とは無縁の人だったから。

リーディングを終え二週間近く経った今、これを書いていて、
あれが本物だったのか、は正直言ってわからないとは思う。
胡散臭いといえば言えなくもなかったし…。
とはいえ、ミディアムさんは、見かけとは裏腹に、気さくで、おもしろく、
それでわたしも、うきうきするような不思議で楽しい時間を
過ごさせてもらったってことは、まぎれもない事実なのですけれども。
サイキック・リーディングって、やっぱり楽しいですねぇ。

アコマク








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Last updated  2008.10.02 07:29:05
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