ユーカリの木陰で里の行

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2011.10.30
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カテゴリ: ファミリー
慌ただしくて、なかなかアップできませんが、
今回は、子どもたちの学校の クラス・ペット のお話を。

娘のクラスでは、ビアテッド・ドラゴンなる爬虫類を飼っていたのですが、
こんど息子のクラスでも、ペットを飼うことになりました。

で、9月も秋休み前の22日、3学期最後の日に、
息子を学校に迎えに行ったところ、ムゥが興奮した様子で、
「ママ、今日クラス・ペットが来たんだよ~~~!」大笑い

「そうなんだ、良かったね。何、飼ったの?」
シルクワームSilkworm! 」

Silkworm とは、それはそれは美しい響きではあるけれど、 蚕 のことでは…?
ウサギちゃんとか、ギニーピッグとか、アニマル系じゃなかったのね。。。

「すっごく、 かわいい んだよ~~~!」
「そう…だよね、かわいいよね、カイコ」

「それにね、ママ知ってた?
 シルクワームってね、シルク作るんだよ!
 すごいんだよ!」
「だよね、生産的だよね」


 ウチに連れて帰れることになったんだよ!
 先生、年の順だって言ってたけど、 早くムゥの番、来ないかな~」

「そ…か…、わざわざお泊りに来てくれるんだね、カイコ…。
 でもムゥより年上の子も多いから、まだずいぶん先になっちゃうと思うよ。
繭

などと話していたら、思いの他、早く順番が回ってきました、
カイコ の週末スティ 。

しかも2泊3日どころか、 6泊7日!
というのもこの週末、ウチの子たちの学校は、
金曜日はカリキュラムディで、月曜日も何かでお休み、
火曜日はメルボルンっ子が州民上げて祝う競馬の休日、
メルボルン・カップ・デイ で、なんと 一週間スティ! ということに。

一週間も……。
カイコなんて、生まれてこの方、飼ったこともない(実際、見たこともない)けれど、
大丈夫だろーか?
ウチにはいたずら犬、チュールスとポーポー、2匹も 犬 がいるけれど、
果たしてワンたちがカイコに危害を加えたり、食べちゃったりしたら、、、
あわわわ… 。
それに万一、カイコが巣(?)から這い出して、
天井なんかへ 脱走 してしまったりしたら…?!

慌て、恐れる親を横目に、歓喜する子どもたち。
とりわけムゥなど、週明けから指折り数えて、
カイコ到来 を待ち焦がれていたのでした。


当日。
長さ1メートルほどのプラスチック製の箱に入れられた、カイコが
私たち親子にずっしり、手渡されました。
その迫力に圧倒されつつ、担任の先生にカイコの飼育法を伺ったところ。

「もう 超簡単、極シンプル!
 帰ったら、この食べ残しの葉っぱと糞を、底に敷いてある紙ごと捨てて、
 新しい紙に入れ替えて頂戴。
 そこに新しい葉っぱを入れて、蚕を戻して。
それだけ よ。
 後は餌を絶やさないようにするだけでいいから。

 え、脱走!?
 蚕がこのプラスチックの箱をよじ登って出たなんてことは、
 今までで一度もなかったから大丈夫よ!
 確かに、出ちゃったら恐いわね。 ふっふっふっふっ 」

先生の、あくまでも明るい口調と朗らかな笑顔に励まされつつ、
うじゃうじゃ カイコの入った、巨大な箱を抱え、家路に着きました。

まずは、蚕の居場所を確保。
家の中で一番涼しい部屋を「 蚕の間 」にして、
厳重に犬たちからは隔離することに。

次いで、カイコのおうちの大掃除を。
底の紙を入れ替え ネバナラナイ ってことでした。
その際、蚕をそうっと指でつまんでどこかに移しておいて、
また戻してあげる、という
愛幼虫家 とは言えない私にとっては、
歓迎したくはない作業が要求されてしまうわけで。うっ…。

結局これは、大張りきりのムゥとダディンがやってくれました。
その際、二人で蚕の数を数えたら、 100匹 以上いた そうな。

さてさて、カイコ宅の大掃除も済んで、新しくみずみずしい葉っぱも入り、
テープルに置いたカイコらを嬉しそうに眺める子どもたち。
「ママ、見て見て、かわいいでしょう」と、ムゥ。
「この、葉っぱをムシャムシャって一所懸命に食べる
 カイコのお口がかわいいんだよね~」と、メェ。

とは言っても、猫のニャーちゃんとか、兎のうさちゃんとか、
それぞれに名前がついて、個性豊かにコミュニケーションを楽しめる
動物たちとは、やはり違う、カイコ。
尻尾を振ってくれるわけでもなし、抱っこできるわけでもなし…。
「カイコの観察日記」など、サイエンスなおベンキョーはできても
触れあい はしにくいわけで。

とにかく、ペットとの触れあいの基本となるのは名前であろう。
名付けから、 絆 が生まれるのでは?
と、子どもたちと一緒に、
「この子がカイ君で~、こっちがシルちゃん」などと名前をつけてはみたものの、
いかんせん、 どの子も同じ に見えてしまって、やはりコミュは楽しみにくい。

でもって、 100匹 。
ほとんど束で迫りくる 迫力 である。

それにしても、この蚕。
100匹もいれば、 食べる、食べる 。
午後、大量に入れたハズの桑の葉が、夜にはすっかりなくなっていた。
「餌を 絶やさないように するだけでいい」と言っていた先生の言葉を思い出し、
ダディンが夜分にまた餌となる葉っぱを取りに行くことに。

そう、餌。
この蚕の餌が、後に大問題となるのでした。

なにぶん蚕は、 桑の葉 しか食べない、そうで。
息子の担任の先生は、
「桑の木なら、あなたの近所の公園に1本、生えているから大丈夫」と
朗らかに語っていたのですが、
その桑の木は、後にも先にも、ここら辺にはその木 一本 しかない、というお話で…。

とにかく翌日も、大食いカイコ100匹のために、
家族でまた桑の葉を取りに行きました。
ビニル袋を抱え、コットン摘みか梨もぎよろしく(違うか…)桑の葉をもいでいたら、
背後から冷たい何かが突き刺さる。
ふっと振り向けば、
凍える視線が腕組みをして、私たち親子をとらえているではないか!?
ヤバ… 。

「さ、そろそろ止めて、行こっかぁ~」と、こそこそと日本語で皆を促し、
帰り支度を始める私。
「え~、なんで~!? もっと餌いるよ~」
「でも今、おじさん、見てるでしょ!
 ほらほら、いいから、行くよ、行くよ」
不満げな子どもたちを急かし、逃げるように現場を後にするハメに。

以来、子ども一人に大人一人、と小規模ペアに分かれて、
カイコの餌、収拾に当たることにしたのですが―。


そのうち、公園の桑の葉集めから戻ってきた娘が、
「ねえ、ママ、桑の木、下の方は葉っぱなくなっちゃったよね。大丈夫かな?
 でも葉っぱあげないと、カイコ死んじゃうものね…。
 ダディは、木を病気にしないよう
 上の方から気をつけて取るようにしようって言ってたけど」
「やっぱり…。私も心配してたんだけど…
 困ったねぇ。どうしようか?」

「これからオム・マニ・ペメ・フンって、お祈りしながら取れば
 大丈夫だよ」と、明るい息子。
「そうだよね、、、、
 お祈りしながら取れば、自然、気をつけて葉をもぐようになるしね」

というわけで、以来、カイコと桑の木を祝福しつつ、
真言 を唱えながら、 こっそり と桑の葉を取ることに。
子どもたちの思いやりの心を育むには良いものの、
傍目には、ますます怪しげに映ってしまうであろう状況に。
でもって実際、5歳児が真言唱えながら手作業すると、かかる時間も数倍になって、
不審な親子として、公園を利用する方々からチェックされること、数回…。

結局ダディンが一人、早朝と真夜中に、人のいないときを見計らって、
こそこそと桑の葉を取りに行くことになったのでした。

それにしても…、
公園の木というのは、あくまでも公共物である。
それを取るっていうのは、やはり問題なのではなかろーか?
餌に、公共物を当てにしなければならないような生き物を
学校で「クラス・ペット」として飼うっていうのは?

ま、たぶん、先生方としては、子どもたちに、
卵から蚕に孵化して、脱皮して(なんでも4回もするらしい)、
絹糸を出して、繭になって、繭から成長して飛びたってゆくという、
バラエティ豊かな七変化的様を、単純に観察させたかったのだろうけれども、
それにしても…。
餌を(こっそりと取ってくるのではなく)堂々と買えるような、
何か似たようなペットを選べなかったものでしょうか?


6泊7日の蚕スティ。
100匹のカイコは、1匹も弱ったり亡くなってしまうこともなく、
元気にもりもりと桑の葉を食べ続け、日々成長しつづけてくれたのでした。
一方、桑の木の方は日に日に小さくなっちゃって…。

蚕スティの後、やはり桑の木のある公園から家が近いという理由で
桑の葉取りを頼まれているお父さんと話したところ、
彼も桑の木の健康を案じてらした。
なんでもうちのクラスだけでなく、
他の学校でも学級ペットにカイコを飼ったために、
多くのカイコの命が、その桑の木1本にかかってしまったらしい。。。

ほんとうに、他に桑の木はないものか?と、
ダディンが公園や街路樹はもとより、人様のお庭を覗きつつ
探しまわってくれたものの結局、見つからなかった、とのこと。
あったら事情を話して葉っぱを分けてもらおうと思っていたらしいが、
近所を歩き回った末にやっと見つけた桑の木は、
まだ小さ過ぎて、葉っぱもろくに生えてなかったとか。

そうこうする間にもカイコの方は、脱皮を済ませたものか、まだなのか。
派手な変化をみせることもなく、
子どもたちからはほとんど忘れ去られて、それでも教室の片隅で、
100匹そろって、今日も もりもり と食べつづけているのでした。

そうしてこれを書いている11月11日―、
今さっき子どもたちの送迎から戻ってきたダディンによれば、
今週末も カイコが我が家にやってくることが決まった、とのこと。
うそでしょ、 カイコ再び― 2度目 の週末スティ ……

今となっては、
一日も早くカイコたちが繭になってくれるのを、祈るばかりです。

OM MANI PADME HUM 手書きハート








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Last updated  2011.11.21 11:14:57コメント(0) | コメントを書く
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