ユーカリの木陰で里の行

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2012.12.13
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カテゴリ: 子育て
あ れよあれよという間に、 12月 ―
今年も残すところ半月ほどになってしまった。
メルボルン の街並みも クリスマス 色に染まって、
何もかもが慌ただしい、この季節。

クリスマスや一年をしめくくるイベントの数々にくわえ、
オーストラリアの学校では12月が 学年末 にあたるので、
一年を締めくくる行事も多くなる。

子どもたちの通う モンテッソーリ・スクール でも、

一年のアート学習を締めくくる子どもたちの展覧会、
遠足、ピクニックと イベントが盛りだくさん だった。

ちなみに、 展覧会 はなかなかに本格的で、
初日には オープニング・パーティー まで開かれた。
その際、今年はナショナルギャラリーで開催された
「ナポレオン展」を テーマに勉強 したそうで、
ギャラリーから「ナポレオン展」の主宰者まで招いて

展示会場の方も、サイクル2と3 生徒全員の1年間に制作した
全作品を展示
するため、小さい学校とはいえ、
会場の熱気(と 展示物の混み具合)は相当なもの だった。

そうして今日は サイクル1(幼稚園部)の音楽コンサート

ところで、 忙しないときほど、その処理能力が問われる ものであるが、
私(とダディン)に関しては、 忙しくなるほど穴が開きまくり、
ほぼ ザル状態
となる。
ちなみにこの日も トリプル・ブッキング してしまっていて、
あ わわわ…… と青くなる。

今年は 息子のサイクル1最後のコンサート である。
行かないわけにはいかない。

だけど例年は夜、学校のホールで開催していた記憶があるのだが、
今年は なぜか 昼間に各クラスの教室で開くことになったのだそうで…。
学校から届いたお知らせには、
保護者の方々も ふるって ご観覧ください 、と締めくくられていた。
マズイ……

慌ててスケジュールを調整し直し、
どうしても動かせない娘のセカンダリー・スクールの面接の方はダディンが、
コンサートの方は私が参加すると言うことで手を打った。
それにしても、 まさか昼間から保護者を結集しようだなんて…
まあ、どうせ皆さん、仕事もあるだろうし、 来れない保護者の方が大半 だろう。
誰か一人でも観に行ければ、子どもも喜ぶ というものだ。

などと高をくくっていたのだが、
当日集まった 保護者の数に唖然 としてしまった。
会社を抜け出して来たらしき、 スーツ姿のダディやマミィ の多いこと。
くわえて
おじいちゃん、おばあちゃんも 家族総出 で見に来られた方々も多く、
10時15分開始という 極めて中途半端な時間帯 ながら、
教室は 押せ押せの人出 であった。

その光景に、友達のご主人の話を思い出した。
長年、東南アジアで働いてらしたその方は、
オーストラリアの会社に働き始めて2年目にして、
自らの勤労姿勢を見直す
ことを決意、
スクールホリデーには休暇を取る ことにしたのだそうだ。

というのも、
同僚は皆、子どもをメルボルンショーに連れて行くとか、
クィーンズランド旅行に連れて行くとかの理由で会社を休んでいるのに、
自分 だけ 一日も休まず出勤し働いている と言うのは、
良い父親でないことを周囲に証明しているようで居たたまれなかった 、
のだそうで。
いやぁ、オージー的国民性、出てますかね(笑)。

さてさて、コンサートはイタリア語の曲から始まった。
子どもたちは身振り手振りを交え、声をそろえて元気に合唱する。
途中「パスタ」とかの単語や、麺を食べるジェスチャーなんかが入るので、
イタリア語に疎い親たち も、
ああ、これはきっとスパゲッティを食べる喜びを表現した歌なんだろ~なぁ、
とか想像できる。

子どもたちを先導するのは、イタリア語の先生である。
マリア・モンテッソーリがイタリア人 だからか、
この学校では外国語にイタリア語を教えている。

ちなみに、 オーストラリアの小学校 では外国語を教えているが、
イタリア語を教える学校が、 その世界的需要に関わらず、
群を抜いて 多 い
。
それを私は、 メルボルンにはイタリア系移民が多いせい だと思っていたのだが、
以前、知人から興味深い話を聞いたことをふっと思い出した。
なんでも、 イタリア政府から
外国語にイタリア語を教える学校には支援金が送られる
ので、
イタリア語を選ぶ学校が多いと言うのだ。

裏を取ったわけではない ので、真理のほどは定かではないが、
もしそうなら、
国際派としてがんばっているのね、イタリア政府。
ま、なにぶん5、6年前に聞いた話なので、
ここ数年のヨーロッパ経済の混乱を思えば(たとえ当時は事実だったとしても)、
今も実行しているかどうかは 甚だ怪しい とこではあるが。

話を元に戻して、
イタリアの曲の後、今度は担任の先生の音頭取りで、
英語の曲がいくつか披露された。
次いで楽器を個人的に習っている子どもたちのソロ演奏の後、
フィナーレはクリスマスソング である。

拍手喝采 。
退屈した赤ちゃんのヒステリックな雄叫び とともに、
会場には 熱い喝采 が湧いていた。

その後、 プレップ (年長)の子供たちだけ前に出るように、とお声がかかる。
ここで、私は思ってもいなかったのだけど、
ささやかながら 卒業式 が行われた。
子どもたちの名前が呼ばれ、
先生から 一人ひとりに 卒業証書 が手渡された のだ。

我が息子もきちんと背筋を伸ばし、前列に並んでいた。
大きな声で返事をし、卒業証書を受け取って、
きちんとお辞儀をしてからお礼を言っている。
証書を胸の前に掲げ、 いつ写真を取られてもいいように かしこまっていた。

その姿に、 息子が入学したころの思い出 が蘇った。

思い返せば息子は毎朝、姉の方だけ学校に行って、
自分は家に取り残されてしまうので、
大好きなお姉ちゃんと一緒に学校に通うのを楽しみにしていた のだった。

それが3歳になって、意気揚々と登校するや、
姉と同じ教室に入れないことを悟り、途端に 学校嫌いな子ども になってしまった。
忘れもしない、
初日、迎えに行くと、
息子が教室の入り口のところに、不安げな顔で突っ立っていた。

ガラスのドア越しに私たちに気づくや、瞳を輝かせ駆け寄ろうとしたが、
先生に止められ、泣きべそをかき始めた。
それまで家では 身も蓋もなく無防備に大泣きしていた ムゥが、
その 涙を周囲に悟られないように
そうっとアンパンマンのトレーナーの袖で拭っていた
ことが思い出される。
息子がそんなふうに涙を拭うのを見たことがなかったので
その幼い姿は今も心に焼き付いている。

思い出が走馬灯のように駆け巡る。

息子はとろいぶん言葉は早くて、
1歳のころから日本語も英語もかなり話していた。
いつも 一人でもぺらぺらと機嫌良くお喋り していて、
黙らせるのが難しいような子だった。
それが 面談 のとき、
息子はシャイなので、教室で
先生やお友だちとちゃんと話ができているのか心配だ、と漏らしたところ、
先生から
「 え、息子さん、 言葉、喋れるんですかっ!? 」
と驚かれたこととか。

その面談で、息子には
ひっそりと涙を流す習慣 があると聞き、唖然としたこととか。
なんでも毎日2、3回、ムゥは 唐突に席を立つ と、
誰の邪魔にもならないように教室の片隅 に行って、
しくしくしくしく 5分くらい、 ひとしきりさめざめと泣いてから 戻ってきて、
教室での 活動を再開 するのだそうだ。

「あ、でも気になさらないでくださいね。
 それが息子さんの、 一種のセラピー になってるみたいですから。
 泣いた後はふつーに戻って、また活動してますから」
と、当時担任だった若い先生は明るく言っておられたが、
気にするなと言われても…
面談をする前より遥かに 不安 になった 記憶とか。

そんなだった息子が今、目の前で
卒業証書を手に堂々と背筋を伸ばし、立っている。
今日のコンサートでは、
初めにイタリア語でコンサートの紹介までしていた。
縮こまっていた子が、大きな声ではっきりと皆の前で話していた。

ムゥ、大きくなったねぇ。


―と 束の間、感慨 に浸った、 息子の プチ卒業コンサート でした。


さてさて、 クリスマスももうそこまで 。
皆さま、少し早いですが、

どうぞ楽しいクリスマスと良いお年をお迎えくださいませ。

写真は、子どもたちが ジンジャーブレッドとアイシンでつくった
クリスマス・トレイン
です。

Merry Christmas!







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Last updated  2012.12.15 05:41:02
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