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「頑張れば夢はかなう」は幻想だ、成功者の傲慢だ。そんなにうまくいかないのが普通なのだ...脚本家・山田太一氏
山田氏 「あきらめるな」とよく言います。だから誰でもあきらめさえしなければ夢がかなうような 気がしてきますが、そんなことはあまりない。頑張れば何でもできると思うのは幻想だと 僕は思う。成功した人にインタビューするからそうなるのであって、失敗者には誰も
>>確かに、頑張っても出来ないことはある。むしろ人生においては自分ひとりの努力ではどうにもならないこともいっぱいある。どんなに努力しても追いつけない才能もある。才能も努力も十分にあっても運に見放されることもある。
しかし、何もしなければ何も得られないのが社会である。ある目的のための努力が別の花を咲かせ思いもよらぬ実を結ぶこともあろう。むしろ、人生に無駄な努力なんて少ないのではないか。
頑張れば何でもできる、これは確かに幻想であろう。
私もそう思う。彼の言わんとする頑張りとは、つまり、がむしゃら、な意味なんだと私は解釈する。なんでもただやみくもに突っ走ればいいってもんじゃない。時間と体力だけですべてが解決できるなんて甘すぎる。自分の知恵だけじゃどうにも超えられない壁もある。そういう意味で山田氏は言ったんではないかと思う。
山田氏は世間から見て成功者。だから雑誌のインタビューを受ける。彼が市井の人間なら話題にも上らない。成功者だからこそ彼の言葉には説得力もある。彼がたまたま運良く成功したなんて誰も思ってやしない。人知れず他者より頑張ったから今の地位や名声を得たのだろう。ただ、何をどう頑張ったら、他人も成功するかなんて、彼にもわからない。考えるのも無意味だし。
だから、軽率に頑張ればなんでもできる、なんて言葉は吐けないのだ。それなりの苦労を重ねても自分の夢にたどり着けない人間を多く見てきているのだろう。
努力しているひとに、頑張れと応援するしかないのが私。
しかし、それは残酷な励ましになることもある、無責任な応援だ、と山田氏は言いたいのだろう。
無理するな、自分らしく、普通でいいじやん 。
私にはそんな彼の言葉が伝わってくる。
きっと、寅さんの生みの親らしいやさしさを信じているのであろう。