天翔ける鳥船

天翔ける鳥船

2005.07.11
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カテゴリ: カテゴリ未分類
講談社X文庫ホワイトハート

銀杏村は奇妙な村です。
東京に住むゴータの元に、祖母が亡くなったことを知らせる手紙が届きました。小さい頃父母が離婚し、それ以来父方の親戚とは縁がなく、母も死亡した今は天涯孤独の27歳。東京のレストランで働いていました。
父方の祖母から遺された家の鍵を手に取ったとき、何故か、呼ばれている、と感じました…

この文庫本を初めて手に取ってぱらぱら見たとき、あれ?っと思いました。そう、文庫本にはめずらしく2色刷りだったのです。各ページのページ番号が桃色のにゃんこ模様で囲まれています。各章の終わりには、ここで出てきた料理の作り方がさりげなく書いてあります。

銀杏村は不思議な村です。祖母の四十九日でやってきたゴータの元に、村の不思議が現れます。いったんは東京に帰るのですが、やはり村に「呼ばれた」元銀行マンの寺の住職から送られてきたカボチャを煮て食べたとき、銀杏村でレストランを開きたいという思いがわき出てきました。

こうして村に「呼ばれて」きたゴータと、さらにそこに住み着いた同居人、近所の人たちやおきつね様。ゴータをめぐる不思議な村の日々です。

読んでいて、なんども読み返してみたくなるようなほのぼのとした小説です。通常わたしはファンタジー系が好きなのですが、通常は思いっきりその世界にトリップして気分転換して、すっと現実世界に戻る・・・といった感じです。

それに比べこの「にゃんこ亭のレシピ」は、普通だったらあり得ない怪異現象が起こるのですが、ごく普通の生活の中にとけこんでいます。おいなり様のお使いのおきつね様という美人の神様。おきつね様から、使い魔の管きつねを貸し与えられている住職。庭を走り回っているニワトリの卵。無農薬野菜。きれいな水。そこで開店したローストチキンのお店。やがて、押しかけパティシェが来て、手作りデザートやティータイム営業も。



時間に追われる世知辛い世の中だからこそ、こういったかつてあったかもしれない田舎で、暮らしていくことができたら…
この村で暮らすことは無理でも、ちょっとした機会に、にゃんこ亭でおいしいケーキを食べてみたいなあ、そう思わせられる作品です。

【本日の言葉】
p55 これからあんたがどこでどんなふうに暮らすかは知らんよ。けど、自分の根っこを持たん人間は、どっしり腰据えて何かすることができん。祖母ちゃんはそう思とるから
「にゃんこ亭のレシピ」椹野道流(講談社X文庫ホワイトハート)より

にゃんこ亭のレシピ





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Last updated  2005.07.11 23:45:06
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