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朝食どきに義兄がふきのとうを持ってきてくれました。
天ぷらやふきのとう味噌にするのが昔からある食べ方でしょうか。
子供のころ、
「こんな苦いものを食べる人の気がしれない。」
そう思いながらも、「良いコ」のわたしとしては
時期になると祖母や父母のために、雪の残る田の土手を歩いては探したものです。
小学生のとき、大好きな先生がいました。
初対面の印象はと言うと、つっけんどんで取り付く島のないような.......
不愛想な先生に思えたのに、いつのまにやらクラスの皆が慕うようになりました。
この先生の好物がふきのとうとのことだったのです。
喜んでくれる顔がみたいばかりに、一生懸命探しまわりました。
それなのに、その年はあんまり見つけることができませんでした。
ちょこっとしかないふきのとうを前にしょげていたら、母が
「そんなにがっかりしないの。○○○○○なんだから。」
そう慰められたわたしは、
「そうか、そういうものなんだ!」
すっかり元気になって先生にふきのとうを渡しました。母の言葉も添えて。
それから何年もたって、思い出したように母が言いました。
「片○先生が、いつだったか参観日のときに
.......A子がふきのとうを持ってきてくれてね、
『先生ごめんなさい、ちょっとしか見つけられなかったの。
でもね、こういものって少ししかないほうがありがたみがあるんですって。』
そう言われてオレは参ったよ、わはは~」
参ったのは母のほうだったそうです。
やれやれ。
子供の頃からすでに、ひとこともふたことも多かったんですね。