ねこねここねこ

鳥類考

     鳥類考

 やむをえず
 鳥だって飛んでいるのを御存知ですか
 そういう学説がある
 ある日
 だしぬけに
 前肢が翼に変化したというのだ

 けっして
 飛ぼう
 飛ぼう
 なんて願ったわけじゃあないのですよ
 深夜
 耳の森で
 鳥が
 ささやいた

 化石をみた
 億万年
 鳥は
 石の空でもがき続け
 死んでも もがき続けていて
 思わず
 私の目をそらさせる
 飛ぶとは
 中空で
 もがくこと
 少なくとも化石の鳥は
 そのようにみえ
 みえた通りに億万年後もそうしてもがき続けているだろうと思った

 そして 今朝は
 生ゴミの水曜日
 冬の空気は地面から冷えて
 うっすらと霜
 ビニールの袋が
 白鳥や黒鳥のようにみえ
 からだを寄せあい
 じっとして
 ニンジンのしっぽ
 ジャガイモの皮
 その他
 わけのわからない日常のくさぐさをいっぱいに身につめている
 だが
 鳥は飛ぶ
 空にひとすじの傷もつけずに
 いったい
 彼らは
 何をどのように捨てたのか
 ビニールの黒鳥の首をにぎりしめ
 遠い遠いたましいの行方を思う


 最近飛ぶ夢を見ない。
 以前は、飛んで 赤茶けた噴火口を覗く夢や、電線に触れそうになって 慌てて、低く飛ぼうとする夢をみた。
 起きて、私は 実際に飛べるのではないかと真剣に思った。
 人間は飛べないという固定観念が、私を地面から離そうとしないのではないかと
 本気で思い、試した大学時代。 それ以降も。。。

 人間も、二本足で立とうとして立ったのだろうか?
 そのために、肉体的に健康であるための 多くを失ったのだが…。



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