ねこねここねこ

ジョギング

      ジョギング

 あけがた
 おじさんが走っている
 ホッ
 とか
 ヒッとか聴えてきて
 裏の坂道のあたりで
 少し
 あえいで
 そのまま私の夢の枯れ草をふみしだき
 さんざん
 荒して
 どこか
 すごく遠いところまで走っていくらしいのだ
 私は
 朝から
 ふみしだかれていると思い
 ターさんが
 オーさんから
 それは
 生まれつきですよ
 とつっ放されてラーメンをすすりながら
 泣くかわりに
 笑っていたけど
 それで
 彼は
 救われるのだろうかと起き上りながら心配になり
 煙草に火をつけて
 ひとりで
 存在をくゆらしていたわけだが
 やたら
 足もとに
 近寄ってくる
 寒さや
 コネコを
 はらいのけ
 おしのけては
 ともあれ
 カバンや
 眼鏡をかけて勤務先に走って行き
 誰かの夢を
 そこで
 さんざんふみ散らかして
 やがて
 疲れ
 今日も一日で
 ずい分
 私だって
 遠くに往くのだなと思った


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