ねこねここねこ

街で

   街で

青年を
待っていた
いつ頃から夢をみはじめたのか考えていた

近くの水たまりのようなテーブルで
ストロオを交ささせて
お互いの血液をすすりあい
愛しあっているふたりをみていた
それが
トマト・ジュースだとわかってからも
まだ
ストロオを流れて行く
血液がみえた
捨てられたストロオは
血管のようにまがり
今夜も
私は
夢をみるだろうと思った

ひとは
ひとつの夢しかみることができないのかもしれない
ときに
落鳥の内臓の重さであり
死すべきものの
おそるべき軽さであったとしても
それは
ひとつの夢の
バリエーションにすぎないと思った

青年は
まだ
こなかった
なぜ
珈琲はこのように
徐々にさめて行くのだろうかと思った


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