『あらしのよるに』オオカミとヤギ、喰う者と喰われる者の奇跡の友情

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2019/08/26

『あらしのよるに』オオカミとヤギ、喰う者と喰われる者の奇跡の友情

テーマ： DVD映画鑑賞(13980)

カテゴリ：映画・音楽・芸能

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ある嵐の夜、やぎのメイが山小屋に避難した。

真っ暗な闇の中、かぜ気味で鼻の利かない2匹は
互いの正体を知らないまま夜通し語り合い、意気投合する。

ヤギは相手をヤギ、オオカミは相手をオオカミと思いこみ
勘違いをしたまま話をした二人の間に友情が芽生えて
『あらしのよるに』を合い言葉に
翌日再び会う約束をする。

翌日、2匹は互いの意外な正体を知ることになるが
本来ならば喰う者と喰われる者
という関係であるオオカミとヤギは
『ひみつのともだち』となる。

しかしそれは、互いの種族にとって
決して許すことのできない禁断の友情であった。

『おおかみと７匹のこやぎ』や『赤ずきんちゃん』や
『三匹のこぶた』など、いつもおおかみは悪役ですよね。
でも、ガブはメイに『秘密の友達ですね』と言われて
『そんな言い方ドキドキしやす』なんて言うピュアな面もあり
それがとても可愛いのだ。

ふたりは仲良くピクニックへ行くが
途中でガブはお弁当を落としてしまう。
お腹を空かしているガブの前を
モンローウォークみたいにお尻をフリフリして歩くメイ。
思わずかぶりつきたくなるガブ。

お弁当を落としておなかが空いているガブの前で
すやすやと無防備にお昼寝をするメイは
まるで小悪魔みたいな可愛さでした。

メイは男の子なんだけど
メイが木を乗り越えようとすると
さっと手を差し出して助けてやったり
『逢えて良かった』と言われて顔を赤くしたり
ガブがまるで純情青年に見えるシーンには
思わずクスッとなってしまう。
二人の関係は友情というより恋に見えてしまったりする。

2匹の関係は
ヤギとオオカミのお互いの集団にバレてしまい
お互いの友情を大切にして2匹で逃げることを決意する。
目の前に広がる高い雪山の向こうに緑の草原があると信じて
メイとガブは雪山に登るが吹雪にあってメイが倒れてしまう。

ガブは雪穴を掘ってメイと避難するが食べ物もなく
ガブは雪をかき分けてエサを探すが草１本生えていなかった。
メイはガブに『わたしを食べてください』と言う。

相手を生かすために自分の命を与えるというメイ。
メイを食べたくないのにお腹が鳴ってしまうガブ。
『何でおいらオオカミなんかに生まれてきちゃったんだよ～！』
と泣くガブ。
感動的なシーンなのに、笑いが絶妙なバランスで込められていて
特に印象に残る場面だった。

このあと、裏切ったガブを追いかけてきたオオカミの群れに
たった一人で立ち向かっていくガブ。
迫力満点のシーンで、見ていて力が入りました。

その後、メイはひとりで山を越え草原で暮らしていた。
そこへ、雪崩のショックで記憶喪失になったガブが現れるが
今ではメイもただのエサに過ぎなかった。

ガブの豹変ぶりを嘆き悲しんだメイは
『いっそあのあらしのよるに出会わなければ』と叫ぶ。
その言葉がきっかけでガブの記憶は戻り
2匹は緑の草原で一緒に暮らすのだった。

色々あったけど、最後に幸せになれてめでたしめでたし・・・
やっぱりハッピーエンドの物語を見た後は気持ちいいね。
ふたり並んで大きな月を見ているシーンがとても美しかった。