退院。




退院、、、4ヶ月に渡る入院生活が終わる。
予定を1週間早めての事だった。
そのとき凛は鬱に入っていた。
鬱なのに退院、、、。それは凛の大好きな担当医との話し合いの結果。
理由は病棟での連結が強すぎるため。

凛を含め鬱の患者さんで、年齢の近い子が例年になく多く
当たり前のように仲良くなった。
お互いの気持ちが手に取るように分かる。
誰かが鬱になると連鎖的に次々と鬱に入ってしまうのだった。

先生は『過去、こんなに仲良いグループができたのは観たことがない』といった。そして『でもね、そのつながりがお互いを潰しあうこともあるんだ』とも。

凛はそのことを感じていた。
誰かが鬱になるといつも自分を責めていた。
どうして気づいてあげられなかったんだろうって、、、。

そんな凛の手をトキはぎゅっと握り締めてくれた。

そして凛も鬱になり、部屋から3日間出ずにごはんも食べずにいた。

そんな時トキは毎日メールをくれていた。だけど限界だった。
凛は退院を決意。

そのときいた彼氏も待っていてくれてる。
うちに帰ろう。

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退院の日みんなが見送ってくれた。
凛はみんなに手紙を書いたんだけどトキにはすこし長い手紙を書いた。

さいごに
『大好きだよ。人としてね』
そう書いて。

人として、って書いたのは精一杯の嘘だった。
本当は恋愛感情だったのかもしれない。
だけど
彼氏がいたし、トキを好きな子はいっぱいで相談もたくさん受けてたし
なによりトキが凛を好きになるなんて思いもしなかったから。

そうしてトキとさよならした。

もう会うことはないだろうな、、、そう思いながら、、、

帰りの車の中で涙が溢れて止まらなかった。
1回目の入院とはまた違う優しさに触れた、
初めての開放病棟での生活

すべてが思い出になってゆく、、、。



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