ここでもまたもや「お~っΣ( ̄□ ̄*)」と一同から声が洩れる。天井のあまりに細やかな装飾に、感嘆せずにはいられなかったのだ。鍾乳石を模したその天井の見事さは、とても文章にはできないほど。
王妃の部屋として使われていたこの部屋は、天井のモカラベが宮殿内でも特に美しいとされている。またまた「お~っΣ( ̄□ ̄*)」と一同が感嘆したのは言うまでもない。
途端に壁はただ白い化粧塗りがされただけのシンプルさになり、窓もこれまでの透かし彫りではなく普通に木枠が施され窓ガラスが嵌められていた。
何てことはない、小山のようになった石天井にただの丸い天窓がいくつもあるだけだったのだ。なるほど、みんなあっさりと窓から離れるはずである。
これまでが華麗だったため簡素な感を受ける短い廊下を進むと、突き当たりに『カルロス5世の部屋』があった。天井は見事な寄木細工だが、こちらもやはり簡素に見える。窓にはいったい何の動物なのか、ちょっとおちゃらけた表情の動物が摺りガラス風に描かれていた。
モスク(イスラム寺院)が教会に改築される前は、この丘にモスクのミナレット(尖塔)をいくつも見ることができたのだろうか。
その名のとおり噴水や水路が多く、ネバダ山脈から引かれた雪解け水が途絶えることなく水音を響かせ庭園を潤している。イスラムの土木技術を結集し敷地の高低差を活かして作られている噴水の水は、階段の手すりまでも利用して下へ下へと送られ、その勢いを利用して途中で噴水になってはまた水の流れに戻ってアルハンブラ宮殿へと辿り着くのだ。
この中庭で王妃がアベンセラヘス家の若者と逢引していたと伝えられていて、その結果が招いた悲劇を書いたタイルが壁にそっと埋め込まれている。
ポプラの木が綿毛を飛ばし、それが舞って雪が降っているように見え、さらにその綿毛が降り積もって雪のように見えていたのだ。