鍋・フライパンあれこれ美味
100万ポイント山分け!1日5回検索で1ポイントもらえる
>>
人気記事ランキング
ブログを作成
楽天市場
023047
ホーム
|
日記
|
プロフィール
【フォローする】
【ログイン】
葵むらさき言語凝塊楽天別室
新着記事一覧(全172件)
過去の記事 >
February 8, 2006
ガアラムの流れる島 8(全38話)
(40)
カテゴリ:
ガアラムの流れる島
父の帰りは、遅かった。
私と母は、しばらく待ってはいたが、結局先に二人だけで食事を始めた。
「父さん、何してるのかな」
私は、母に訊いてみた。
「いろいろ、お話があるんでしょう……石の予言のことで」
「大変なことに、なっちゃうのかな」
「今はまだ、はっきりとはわからないわ」
「母さんは、父さんの石を、見てみた?」
「ええ」
「そうね……似ていたわ。でも、父さんの石の方は、もう少し複雑なかたちをしていたようだけど」
「それって……どんなことが起こるか、もっと詳しくわかる、ってこと?」
「そうかもね。母さんにはよくわからないけれど、ジェノイの大人たちには、なにか重大なことなのかも」
「そうなんだ」
「あなたの石は、あの後なにか変わらなかった? 模様のかたちとか……」
母に言われて私ははじめて、その日石を手にして見たのが、例のかたちを発見した今朝の一度きりだったことを思い出した。
ほとんど一日、ラミイと墓掘りをしていたので、すっかり忘れていたのだ。
私はなんだか、罪悪感に襲われた。
心持ち肩をすくめるようにして――あたかも、石が私を叱りつけるものであるかのように――急いでそれを取り出した。
石の模様は、今朝とは少し様子が違っていた。
基本的なかたちは今朝のままだが、それに何かが加わったような、微妙な違いが見受けられた。
けれど、今映し出されているかたちとまったく同一のものは、写本には載っていなかった。
ごく基礎的な手引書であるからなのかも知れなかった。
ということは、今この石に映っているかたちというのは、よほど「非日常的」なものであるのに違いなかった。
私と母は、一瞬不安な面持ちで、お互いを見た。
けれど母はすぐに微笑み、大丈夫、と繰り返した。
「うん」
「ジェノイを信じましょう。あなたもジェノイなんだから」
「うん」
私も微笑んでみせ、寝るために自分の部屋に入ろうとした。
そこで、ふと思って、脚を止めた。
「母さん」
「何?」
「ラミイのこと、好き?」
「ラミイ? ええ、好きよ。どうして?」そう訊きかえす母の微笑みはさらに広がって、私を探るような、少し意地悪な表情になった。
「もし、私が、ラミイと結婚したいって言ったら、どうする?」
「結婚? 早すぎるわ」母は、可笑しそうに吹き出した。
私は、口を尖らせた。「でも」
母はしばらく笑った後で、つけ足した。
「もっと大人になってから、まだラミイのことが好きなら、結婚するといいわ。ラミイならきっと、トウのことをしっかり護ってくれると思う」
「ほんと?」
私は、笑顔をとどめることができなかった。
母の微笑みに見送られて、私は自室に入った。
しばらく眠った後で、私はふと目覚めた。
木のドアの向こうから、父と母の話し声が聞こえていた。
何を言っているのかはっきりとは判らなかったが、二人はなんだかとても深刻に話し込んでいる様子で、一時も会話がとぎれることはなかった。
というよりも、父と母はお互いに、相手の言葉尻を捕らえてものを言い合っているようで、二人には珍しく、口論をしているような印象を受けた。
そう気づいた時、私の眼ははっきりと醒め、私は体を起こした。
鼓動が早くなった。
不安と、恐怖に似たものが、私を捕らえた。
私はドアに耳をつけた。
「ねえ、生きているってことの方が、ずっと大事だとは思わないの? 住むところなんて、どこだっていいじゃないの」
「ここに住んでいるのが、私たち家族だけなら、私だってすぐにここから逃げ出すさ。でも、そうじゃない。私たちだけの問題じゃないだろ?」
「みんな、自分の家族のことを第一に考えるべきよ。それぞれが、それぞれの家族だけを護って、それぞれに逃げ出すべきよ」
「私たちにとって、自分の家族っていうのはすなわち、この島に生きる一族のことなんだ」
「でも、それじゃ……」
「その“家族”の大多数が、この島に残りたいというんだから、私たちだけが新天地を求めて逃げ出すなんてことはできないんだ」
「あなたは、あたしやトウより……」
「だから、お前とトウだけ、お前の親戚のところへ行っていろっていうんだ」
「あたしは……」
「きっと、迎えに行くから。すぐに」
「いやよ。あたしたちだけ行ってもどうせすぐに見つかって、殺されるわ」
私の、頭のてっぺんから、電気が走った。
「殺される」
母は、確かにそう言ったのだ。
私の脚は、震え出した。
「そんなことはないだろう。大丈夫だよ」
「親戚の者が、大陸の祭司に知らせるかも」
「そんなばかな」
「だってあたしは、裏切り者なのよ」
「そんな……」
「報奨金欲しさに、売られるに決まってる」
「お前の親戚だろう。どうしてそんなこと言うんだ」
「冷静に考えてるからよ」
「じゃあ、ここに一緒に残っていればいい。家族一緒に」
「そうして、あたしたちの目の前で、戦争をはじめるの?」
「どうしろって言うんだ、じゃあ」
「逃げるのよ。新しい“島”を探すの」
「根無し草になって?」
「そうよ。それのどこがいけないの?」
「お前は確かに、そういうのが平気だろうよ」
「どういうこと?」
「いや、……今のは、忘れてくれ」
「簡単に大陸を捨てられたから? この島だって、捨てることになんのためらいもない?」
「……」
「確かにそうよ。あたしは、人の命ってものが、この世で一番大切だと思ってる。神は、土地よりも島よりも、人を愛し護るべき存在だと思ってるわ。人の方も、住む場所よりもまず、自分たちの命を大切にするべきだわ。神のために。神を護るために。神の教えを子に伝えるために」
メールマガジン(PC)でのご購読はこちら
お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
いいね!
0
シェアする
最終更新日 February 8, 2006 05:49:35 PM
コメント(40)
|
コメントを書く
ホーム
フォローする
過去の記事
新着記事
上に戻る
【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね!
--
/
--
次の日記を探す
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
広告を見てポイントを獲得する
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
エラーにより、アクションを達成できませんでした。下記より再度ログインの上、改めてミッションに参加してください。
ログインする
x
X
© Rakuten Group, Inc.
X
共有
Facebook
Twitter
Google +
LinkedIn
Email
Design
a Mobile Site
スマートフォン版を閲覧
|
PC版を閲覧
人気ブログランキングへ
無料自動相互リンク
にほんブログ村 女磨き
LOHAS風なアイテム・グッズ
みんなが注目のトレンド情報とは・・・?
So-netトレンドブログ
Livedoor Blog a
Livedoor Blog b
Livedoor Blog c
楽天ブログ
JUGEMブログ
Excitブログ
Seesaaブログ
Seesaaブログ
Googleブログ
なにこれオシャレ?トレンドアイテム情報
みんなの通販市場
無料のオファーでコツコツ稼ぐ方法
無料オファーのアフィリエイトで稼げるASP
ホーム
Hsc
人気ブログランキングへ
その他
Share by: