運剣士に閃光を

運剣士に閃光を

REDSTONE  episode of lancer


それは、私が貫いたモンスターの声無き断末魔。

――傭兵である私は今、アリアン周辺にいるモンスターの討伐をしている。
モンスターとはいえ、殺しはしたくはない。
ただ、言い聞かせている。
傭兵だから……、これが私の仕事だからと。
目的のため、赤い悪魔を追い続ける為にこうやって。


――違う。心の奥底ではそうは思っていない。
きっとこうやって、血を浴びる事を喜んでいる。
敵を貫き、死に対しての怯えを見て、喜んでいる。
そういう気がする。

嫌われているだろう。
香水の匂いではなく、血の匂いに染まった私を
一般の人々が快く思う訳がない。


「ご苦労さん。もう終わったのかい?」
仲間の傭兵が声を掛けてきた。
「えぇ。これくらいで手こずる訳が無いわ」
「さすが、頼もしいね」
頼もしい……か。
「――弱くなった」
「え?」
身を翻しアリアンへの帰路へ向かう。

――私は、弱くなった。今も、これからもずっと強くなれない。



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