ピアニスト 丹生谷秋子のブログ

ピアニスト 丹生谷秋子のブログ

June 10, 2009
XML
カテゴリ: ライフスタイル

入院受付で手続きを済ませ、病室へと向かった。
手術は翌日だった。20095.24akiko.jpgひとつきまえ、あんなに悩んでいたのが嘘のように手術前日の私の心は穏やかだった。
部屋を案内されるとそこは私より年上の女性がひとりベッドに横たわっていた。
挨拶をするとそのひとはほほえみ、私の病状のことなど尋ねてきた。
その人..ヨシさんはすでに私と同病を経験しており、
そんなに大変ではない、というようなことをいって私の気持ちを和ませてくれた。
私はヨシさんと意気投合し音楽や美術やアロマオイルの話に花を咲かせた。

その夜は安定剤の効果もあり穏やかに眠ることができた。

翌日。

saiseikaiajisai.jpg
手術前は穏やかだったのだが術後は寒気、吐き気、熱があり
何をやっても吐いた。苦しかった。
胃がんで苦しんでいた麗華のことが頭をよぎった。

彼女に比べれば私の病気なんて。

そう思って何とかがんばった。

3日目。

どうやら峠を越えたようだ。この日から私は快調へと向かった。
ちょうど部屋も初日希望していた個室に変わった。
私はヨシさんに時々、あそびにきますねと伝え、部屋を後にした。

saiseikaihiru.jpg
新しい部屋はとても見晴らしが良い。
私は家から持ってきてもらったCDのデッキを窓辺において、さっそくボサノバを
聴いた。

窓から見える景色は朝、昼、夜とまったく違った表情をみせ
ボサノバやジャズを聴きながらそれを眺めるのが楽しみになった。
saiseikaiasayake.jpg
saiseikaiasahi.jpg
ときおり 夜などはCDをとめ 静寂に身をおいたりもした。
12階だから都会の喧騒は聞こえず、聴こえるのは風の音や鳥の声だけだった。

部屋では小さな水彩画を毎日少しずつ描いた。
10枚描いたら退院だと思い、壁に貼っていった。
saiseikai suisai.jpg

開腹手術のためあまり激しく動けなかったが
院内を散歩し、花を見つけては撮影した。
私の体は、1日1日回復に向かっていった。
歩く距離が少しずつ増えたし かがんで物を取ったり、
腹筋で起きれるようになった。
お見舞いに来てくれた友人たちは私の回復ぶりに驚いていた。

最近は傷口もそう目立たず、さらに目立たなくする薬もあるらしい。

体の回復も順調に向かったがこころもまたストレスから開放され
周りへの感謝の心が生まれ、非常に良い状態になった。

回診に来た担当医師が初めて部屋にはった水彩画のことを口にした。
「10枚描いたら退院なんですよ」と私は笑った。

そして10枚目で本当に退院が決定した。

今日病院を出るころは私の心も体もすっかりリフレッシュされ、とても良い状態になっていた。
この10日間は私にとってすばらしい日々だった。
走り続けてきた私に
「少し休みなさい」という神様のささやかなプレゼントだったのかもしれない。

2009.suisai.jpg















お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

Last updated  June 10, 2009 08:06:33 PM
コメント(0) | コメントを書く
[ライフスタイル] カテゴリの最新記事


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
X

© Rakuten Group, Inc.
X
Design a Mobile Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: