2008.03.29
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初めてこの小説を読んだ時に「お母さま」という存在が、私の中にある母親とは違う不思議なものに感じられて
また、憧れのようなものを抱いたものでした
自由奔放で子供のような勝手気ままなようでいて、物事の道理をわきまえていたり拘っていたり
芯の強いところがあると思うと、繊細でガラス細工のような脆さを持ち合わせていたり
「素敵な女性とはこのような・・・」みたいな女性像が、私の理想として出来上がったような気がするのです
爵位がどうの品位がどうのというのならば、到底今の時代には即さないのだし
そういうものに憧れたというわけではないのです
むしろ、今でさえ奔放と思えるほどの自由さ


私が関心を寄せたのはこの「お母さま」でした
亡くなる直前まで周囲の人に何かしらの示唆を与えるような
それでいて、謎のままだったような
結局はそれをそれぞれに考える期を与えたという事なのでしょうけれどね
私はこの「お母さま」に憧れ、実際にこのような生き方をしているような気がしています


今日、長年の念願であった「斜陽館」を訪れました
桜の話題の飛び交うこの季節に、雪の舞う土地
小説の舞台ではないけれど、その裕福な環境を思わせる舞台背景を感じさせる建物でした

小説とは、まったくの絵空事のようでいて、実は執筆する側としては大元となる
原体験に基づいたものがあるからこそ書けるもの
太宰治の幼少期からの、ここでの生活が小説の中にも活きているのです

たとえ小説の中の人物だとしても、容易に想像がつくというもの
今日、その片鱗に触れたような気がしたのです
実際には存在しない「お母さま」だけれど
実物の年代物の階段を上り手すりに触れて、当時の家具の匂いに接する事で
生きた女性として、私の中に蘇ったのです


太宰治という「お母さま」以上に数奇な人生をめぐらせた人物
雪の舞う、夕闇迫る寂れた空気が今にも漂う五所川原という土地が
数々の小説を生み出させたのかと思うと、感慨一塩でした

スプーンをひらひら舞わせながら、マナー違反ともなんともいえないような
優雅なしぐさでお食事をする
不思議にコケティッシュな「お母さま」が、ほら
柱のかげから・・・








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最終更新日  2008.03.30 02:45:41 コメントを書く


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