老後はどこに住んでどんな交流を持ちどういった生活をしたらいいのか。
自分もこのような事を常に頭に置いて考えています。が、結論の出るものではなく、考えている間に回りが変化して行きます。
子供が結婚したり夫が身体を悪くしたり急な出来事が起こり、予定が立たなくなりました。
誰もが同じような環境にいると思います。
一体老後はどうしたら平穏に暮らせるのか。静かに下降する活力体力知力を意識しながら波風立てずに、回りに迷惑を少しでもかけないように、そしてその日その日を穏やかに楽しく暮らすには、どういう住み方が理想なのか。
それを著者は医者の立場から、アンケートなどの調査をしながら探っていきます。
簡単に結論から言うと、この本の中では二世代三世代の同居家族が多い老人はそれなりに心理的安定は得られるけれど、逆に気を遣ったり、遠慮が多く持ち出しの労力、支援も含めると幸せとは一概に言えないという見解でした。
それに比べ一人暮らしの方はいい所だらけです。何もかも好きなように決められ、どこへ行くのも何をするのも自由。
これほど気楽でいいものはないと、当たり前ですが改めて書いてあります。
ですが、一人暮らしは自己管理が肝心です。
いつ起きて何をしようと自由なら、怠惰に走ってぼんやり何もせず時間を浪費してしまう人もいる。
そうすると体の健康だけじゃなく、判断力や理解力も衰えてたちまち認知症への道を駆け下りることになります。
だから、毎日の規律正しい生活や外へ出て人と話をすること、趣味を追求するなどのたゆまぬ努力が必要です。
私は母親が世間話大好きのおしゃべりな人だったので、子供の頃から沢山の人の噂や話を聞いてきました。
今考えるとそれはそれで記憶に残っている話もあります。
大家族の中にいて突然押し入れの中で自殺したお婆さんがいました。
近所の一人暮らしのおじいさんが、ヘルパーさんが来る時間に合わせて身の回りをすっかり片付け遺書を残してガス自殺したことなど、悲しい話も聞いてきました。
勿論幸せに最後まで家族の中で暮らしたお年寄りは数えきれませんが、必ずしも老人の最後は一様でないと思いました。
一人で住むというのは、何から何まで自分でやらなければなりません。それと同時に大事なのは、大きな怪我をしないように注意することです。
家の中で動けなくなったら発見されるまで放置されてミイラ化です。
また、病気も未然に防がなければなりません。
四方八方目配りして用心して暮らさなくちゃなりません。
けっこう大変なのです。
私も長いこと一人暮らしですが、何度か部屋に閉じ込められて一度は警察に救出されました。
あんなのは二度と経験したくありません。だから今はトイレもドアを開けて入っています。
こういう張り詰めた生活はしんどい時もあります。
でもそれを超えて、一人暮らしの良さがあるのです。
本には一人暮らしを長く楽しめる秘訣が7つ書いてあります。
例えば長く暮らし馴れ親しんだ土地から離れない、というのがあります。
うーん、これは考えさせられました。逆を考えていたので。
緊急時の対応策を決めておく、信頼の置ける人を持つ、自分の希望を周囲に伝えておく、毎日なにかやることを作る、などが挙げられています。
最後の章ではどうしても一人暮らしが無理になった時のことを書いています。
上からの押しつけではない優しい文章です。読みながら素直に身近な未来を考える事が出来ました。
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