August 30, 2008
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テーマ: 愛しき人へ(901)



『着いた。

 今…いつもの駐車場にいるよ。

 今から行くから…もうちょっと待ってて!』



会いたかったの……

あなたに、会いたかったの……


あぁ、そうね、





こんなにあなたが大好きなのに、

好きじゃない人のところに、お嫁になんか…行けないね。



オレンジのシャツを着て、

アースカラーのハーフパンツで、

ルミナスレッドの、ちっちゃなマスコットをつけた、クロックスサンダル。

あなたは、本当に少年みたい。

スーツ姿のあなたからは、想像が出来ないほど、私服はやんちゃな男の子。

可愛くて、可愛くて、仕方がないの…。


『雨が……足拭くタオル借りていい?』

『これ使って…』

ふわふわのピンクのタオルを、あなたに渡す。




ひどい雨。激しい雷。ねっとり湿気。


でも、来てくれた。


きゅうううぅっ。

あなたに抱きつく。

あったかい。



『リトルマーメイド』よりも少し前にね、

別の、 ハッピーエンドの人魚姫のお話 がありました。

私が小4~5の時だったので、だいぶ昔だと思います。

まだ幼かったけれど、その人魚姫の歌が、ずうっと心に残ってます。

歌詞は…ちょっと不確かだけれど…。




初めてよ こんなにときめく 眼差しをおぼえた恋は

きっと生まれた その時から ずっとあなたに 逢うため


そう 大人になったの

alone mermaid






やっと、大人になって、

やっと、普通の女になって、

やっと、普通の生活が出来るようになって、



やっと…………

あなたに逢えたの。



とても普通の女の子の暮らしとは言えない中で、

ちゃんと、働きたいと思った。

だから、表向き華やかな場所は捨てて、

もう、たくさんの人の前で歌うことはなくて、

ビジネス研修を受けて…やっとちゃんと就職出来た。


やっと社員になれてね、ちゃんと社会人になれてね、


あなたが、会社にやってきた。

自己紹介で、ふっと笑顔になったとき、


人知れず、私のココロが、そっと動いた。


…自分さえも、気づかないまま…



必要なもの、全部揃えて、

この想いを貫くために必要な強さ、やっと身につけて、



やっと………ここまで来たの。



だから……抱いてください。

もっと強く……抱いてください。



やっと大人になれたから、

やっとあなたに逢えたから、

あなたに……私の想い全部、余すことなく注ぎたい。




お見合いの話を、した。

あなたは、何も言わなかった。

あえて、言わなかったのかもしれない。わからない。


でも…………


私が全てを話し終えたあと、ちょっとした沈黙。

アロマポットから、ラベンダーとイランイランのゆったりした香り。

淡い間接照明の中で、ゼリーみたいな、真夜中の時間。



何も言わない私に、あなたがそっと手を伸ばして、私を胸に抱き寄せた。


……抱いてほしいよ……


涙が出た。

泣きたくなんかないのに。



『また泣いて…罰金だよ?』

『泣いてないもん…』



言葉が途切れた瞬間、

くちびるを重ねてた。



いつもと違う、くちづけ。

そっと、くちびるとくちびるが触れるだけの、静かなキス。



……抱いてください……

私の想い、抱きしめてください……




ベッドにバスタオルを敷かなければならないほど、

私の身体の中が、潤って満たされてた。

まるで雨に濡れたみたいに、

ゆっくり開いたつぼみから、滴がしたたって、太ももまで流れてた。



いとおしく感じた。

メガネを外したあなたは、本当に…可愛くて、可愛くて…



大切な、尊敬する先輩。

倉木課長やIさんと同じくらい、大切な上司。

気を遣わない、大事な人。

心強い、味方。



そしてね、

私の、誰よりもいとおしい人。


側に、いさせてください。



どうか、たったひとつの願い、かないますように………









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最終更新日  August 31, 2008 10:17:29 AM
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