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「悲しみ」も「怒り」や「恐れ」も、こころの中から出てくるものはどんなものでも、傍観する時間を取らないといけなかった。
そう思いながら、日曜日の夕方、らんぐのお散歩をしていた。
近所の川沿いの道は、後ろには夕日が、前には時折飛んでいる飛行機が見える格好のお散歩コースだ。
いつもよりぼんやりしていたせいか、後ろからやってくる自転車の音に気が付かなかった。突然、叩かれるようにして触られたので、一瞬何をされたのか分らず出遅れた。持っていたペットボトルを投げつけようとしたけれど、すでに届く距離ではなく、「何すんのよ! バカ~!」というのが精一杯だった。
聞くとそいつは常習犯だという。3年ちょっとお散歩しているけれどこんな目にあったのは初めてだった。
この辺りは子どもが多いのに… 一番近い交番ってどこだっけ… え~、勤め先分ってるなら通報しようよ。
あ……こういうはずじゃなかったのに。ここで「怒り」と「憎しみ」の感情を出してしまって…
もしかしたら、混ぜこぜになってしまったのかもしれない。
それでも、まだ残っているこころの中のもやっとした感情を引っ張り出して、きちんと感じてしまわないといけない。
一番近そうな「悲しみ」という名前をつけて引っ張り出し、泣いてしまわないといけないと思った。
悲しいんだから、泣いてすっきりしないと朝が来ない。
なのに涙が出ない。
泣きたいのに涙がでない。何故だろう…
本来、私はよく泣くのである。
TVを見ていても、ドラマでもドキュメントでも、操作された泣かせポイントで必ず泣いているので馬鹿にされること、しばしば。
自分でも安い涙だな~と思っているのだけれど…そういうものとは違うね。
やっぱり悪い癖が出ているのかな… 自己否定のパターンに落ち込むと感情に蓋をする。
それはそれでプラスに動いてくれればいいのだけれど…
急がないといけないことがあるのに、動作がスローモーションになっている。
針で指を切る。注意力が散漫の証拠だ。針を指に刺してしまうことはよくあるけれど、切ってしまったのは始めてだった。
切ったそのときよりも一日経った方が痛い。
誰にされたわけでもなく自分でしてしまったことだけれど…
こういうときのために悲しい音楽を…何がいいんだろ…
ここ3年くらい、ちょっとうるさく感じてラジオも聞いていない。
ちょっと古いCDを聞いても、結局リフレインしてしまうのは悲しみに浸れる楽曲ではなかったりする。
私…ほんとに悲しいのだろうか…
行き先が不安定なメールが空を漂い、送れなかったメールが深く沈む。
そうだ。「悲しみ」よりも先に、見えなかったものが見えて、ほっとひと安心したんだった。
そして、その他の感情は後から沸いてきたものだった。
それに、この出来事は想定の範囲内だったと言える。
空が変わりに泣いてくれる…
それはそれで仕方ないのかも知れない…
ありがとう。。。お任せしよう。
庭には一本だけ咲き残ったカラーが凛と雨に打たれている。
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